中央環境審議会

中央環境審議会について

中央環境審議会（略称：中環審）は、日本の環境政策において重要な役割を担う審議機関です。環境基本法第41条に基づき環境省に設置されており、環境大臣や関係大臣の諮問に応じて、環境保全に関する重要事項を調査・審議し、意見を述べることを主な任務としています。審議の内容や委員は原則として公開され、透明性の高い運営がなされています。

概要

中央環境審議会は、2001年1月6日に設置されました。その前身は、1993年11月19日に中央公害対策審議会を改組して発足した環境庁の中央環境審議会です。環境問題への関心が高まる中、より包括的な環境政策を推進するために、現在の形に再編されました。

所掌事務

中央環境審議会の所掌事務は、多岐にわたります。

環境基本計画に関する事項: 環境基本法第15条第3項に規定された事項を処理します。
個別法に基づく事項: 自然公園法、農用地の土壌汚染防止法、自然環境保全法、動物愛護管理法、瀬戸内海環境保全特別措置法、公害健康被害補償法、絶滅危惧種保存法、ダイオキシン類対策特別措置法、循環型社会形成推進基本法、食品リサイクル法、使用済自動車リサイクル法、鳥獣保護管理法、特定外来生物被害防止法、石綿健康被害救済法など、多くの法律に基づき権限が与えられた事項を扱います。
諮問事項: 環境大臣や関係大臣からの諮問に応じ、環境保全に関する重要事項を調査・審議します。
意見具申: 上記の事項に関し、内閣総理大臣、環境大臣、関係大臣に対して意見を述べることができます。

組織

中央環境審議会は、30名以内の委員で構成され、委員の任期は2年です。必要に応じて臨時委員や専門委員を置くことができ、より専門的かつ柔軟な審議体制を構築しています。

審議会の下には、部会が設置され、さらにその下に小委員会等の専門分野が設けられています。これにより、環境問題の各分野における詳細な調査と審議が可能となっています。

部会

2021年9月現在、以下の部会が設置されています。

総合政策部会: 環境政策全般に関する事項を審議します。
循環型社会部会: 廃棄物の減量化やリサイクルなど、循環型社会の形成に関する事項を扱います。
環境保健部会: 環境汚染による健康被害の防止に関する事項を審議します。
地球環境部会: 地球温暖化対策や国際的な環境問題に関する事項を扱います。
大気・騒音振動部会: 大気汚染や騒音、振動に関する事項を審議します。
水環境・土壌農薬部会: 水質汚濁や土壌汚染、農薬に関する事項を扱います。
自然環境部会: 生物多様性の保全や自然保護に関する事項を審議します。
動物愛護部会: 動物の愛護と管理に関する事項を扱います。

関連事項

中央環境審議会は、以下の法律や計画と深く関わっています。

環境基本法: 環境政策の基本となる法律
環境基本計画: 環境基本法に基づき策定される、環境保全に関する基本的な計画
環境審議会: 中央環境審議会を含む、環境省に設置された各種の審議会
環境省: 環境行政を所管する中央省庁
環境ビジネスウィメン: 環境分野で活躍する女性の団体
産業構造審議会: 経済産業省に設置された審議会

出典・外部リンク

中央環境審議会情報（環境省）:
中央環境審議会令（e-Gov法令検索）:


中央環境審議会は、日本の環境政策を推進する上で不可欠な機関です。その専門性と透明性を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

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