中央研究院

中央研究院の概要

中央研究院（ちゅうおうけんきゅういん、略称は中研院、ラテン語では Academia Sinica）は、中華民国（台湾）における最高度の学術研究機関です。政府直属の機関として、科学、人文学の両方の分野で研究、教育、学術振興、人材育成を行っています。その所在地は台北市南港区で、国際的にも高く評価されています。

設立の沿革

この機関は1928年6月9日、南京にて設立されました。創設にあたり、初代院長には蔡元培が就任しました。設立の背景には、1927年4月に開催された中央政治会議での決議があり、李煜瀛と蔡元培らによって設立案が提案されました。設立準備室の組織が決定後、いくつかの重要な研究所の設立が進められました。

設立当初には物理、化学、工学、地質、天文、気象など14の研究所が計画されました。中研院の組織法が制定されると、国民政府に直属する中華民国最高学術研究機関としての地位が確立されました。実際の研究活動は蔡元培の任期内に活発に行われ、戦争や歴史的な変遷の中でも生き残り、発展を遂げました。

戦後の変遷

1949年、国共内戦の結果として国民党政府が大陸での権限を失うと、多くの院士が大陸に残り、一部の資料は台北に移されました。しかし、この困難な状況にもかかわらず、1954年には新たにキャンパスが南港区に建立される運びとなりました。法定定員の問題は1957年に解消され、台湾での中研院の運営が再開されました。

その後、歴代院長の努力により、中研院は急速に復興し、国際化を進めるなどの取り組みが行われました。特に1994年に院長に就任した李遠哲は、国際的な研究機関としての体制を整え、多数の海外研究者を台湾に招へいしました。

研究活動と院士制度

中央研究院では、科学、歴史、社会科学、人文学など多様な分野での研究が行われており、毎年多くの研究成果を発表しています。また、1948年より設けられている院士制度によって、研究者に対し中研院の院士としての名誉が与えられています。この制度は研究者にとって重要な栄誉であり、2年ごとに選挙で選出されます。

結論

中央研究院は、台湾の学術界にとって欠かせない存在であり、その活動は国際的にも注目されています。科学と人文学の両輪を支える研究機関として、今後もさらなる発展が期待されています。

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