中央農試前駅

中央農試前駅

中央農試前駅（ちゅうおうのうしまええき）は、かつて北海道夕張郡長沼町に存在した、夕張鉄道が運営していた鉄道路線、夕張鉄道線の駅（廃駅）です。この駅は、夕張鉄道線の中で開設時期が比較的新しい駅の一つでしたが、路線の経営合理化に伴い、1974年にその歴史に幕を閉じました。

概要

当駅は、北海道立中央農業試験場（現在の名称は北海道立総合研究機構農業研究本部中央農業試験場）の本部がこの地に移転してきたことに伴い、その職員の通勤需要などを見込んで設置されました。開業当日はあいにくの雨模様でしたが、テープカットを含む開業記念式典が執り行われるなど、華々しいスタートを切りました。しかし、予想に反してこの駅が機能したのはわずか5年という短い期間であり、その後廃止されることになります。

歴史

中央農試前駅の短い歴史は、以下の通りです。

1969年（昭和44年）5月1日：駅が開業。
1974年（昭和49年）4月1日：旅客営業が休止される。
* 1974年（昭和49年）10月1日：駅自体が廃止される。

開業から旅客営業休止まで約5年、完全に廃止されるまでは5年と数ヶ月という非常に短い営業期間でした。

駅構造

駅は単式ホーム1面1線のみを持つ地上駅でした。駅員は配置されない無人駅でしたが、利用者のために待合室が設置されていました。ホームは、夕張鉄道線の線路に対し、栗山駅方面に向かって進行方向右側（南側）に設けられていました。待合室は、近くを通る東五線道からホームの栗山駅側の端へ向かう道の突き当たりに位置していました。

利用状況

中央農試前駅の主な利用者は、駅名の由来ともなった北海道立中央農業試験場（現：北海道立総合研究機構農業研究本部中央農業試験場）に勤務する職員の通勤客でした。地域住民の利用も多少はあったと考えられますが、駅の設置目的から見ても、試験場関連の利用が大部分を占めていたと推測されます。

駅周辺

駅の周囲は、広々とした農業地帯が広がっていました。駅名の由来となった北海道立総合研究機構農業研究本部中央農業試験場（旧名称：北海道立中央農業試験場）は、駅のすぐ近くに位置していました。その他、駅周辺には農業試験場前簡易郵便局や、主要な道路である北海道道45号恵庭栗山線が存在していました。

廃止後

駅が廃止された後、設置されていた待合室はすぐに撤去されることはなく、付近の農家によってしばらくの間、農業用の資材などを保管するための物置として再利用されていたという逸話が残されています。

隣の駅

夕張鉄道線における中央農試前駅の隣駅は、以下の通りでした。

夕張鉄道 夕張鉄道線
北長沼駅 - 中央農試前駅 - 栗山駅

廃止された駅であるため、現在これらの駅間で列車が運行されることはありません。

もう一度検索