中山七里 (橋幸夫の曲)

中山七里

「中山七里」は、橋幸夫が1962年5月20日にリリースした22枚目のシングルで、ビクターレコードから発売されました。この楽曲は、映画「中山七里」の主題歌として作られたものであり、橋が過去に映画「おけさ唄えば」で共演した市川雷蔵からのオファーによって生まれた経緯があります。雷蔵は、橋の歌声を高く評価し、以降も映画の主題歌の依頼を彼に持ちかけるようになりました。また、二人は撮影中の交流を深め、親しい関係を築いていたとされています。

このシングルの作詞・作曲は、橋幸夫の恩師である佐伯孝夫と吉田正によるもので、原作は長谷川伸の戯曲です。特に、佐伯孝夫の得意とする股旅もののスタイルに分類され、作品全体に独特の雰囲気が漂っています。吉田正はこの楽曲を自らの股旅調の作品の中で特に気に入っていたと語っていますが、橋の豊富なシングルリリースの中でこの曲が「ないがしろにされている」と感じるほど、多くのヒット曲の中の一つとなってしまったとのこと。

楽曲の振り付けは花柳啓之が手掛けています。また、カップリング曲「雲と三度笠」も同じく佐伯と吉田によるもので、こちらは「カントリー＆ウェスタン」調の曲として、雷蔵からの要望に応じて制作されました。これらの楽曲は、映画との結びつきが強いことも特徴です。

「中山七里」に収録されている楽曲は以下の通りです：

• - 中山七里

作詞：佐伯孝夫
作・編曲：吉田正

• - 雲と三度笠

作詞：佐伯孝夫
作・編曲：吉田正

共演には、静子（三味線）や豊寿（三味線）が参加しています。このシングルは、多くのアルバムにも収録されており、1986年の『股旅演歌ベスト＜潮来笠から子連れ狼まで＞』や1996年の『＜BEST ONE＞』、1998年の『＜TWIN BEST＞』、2001年の『元祖、股旅ここにあり！』、2008年の『橋幸夫ベスト〜踊り唄〜』など、長い年月を経てもなお多くのリスナーに親しまれています。

映画「中山七里」や、橋幸夫のデビュー20周年記念企画オリジナルアルバム「中山七里」などと関連していることから、この楽曲は彼の音楽キャリアの中で特別な位置を占めています。

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