中山巍

中山巍について

中山巍（なかやま たかし、1893年 - 1978年）は、日本の洋画家であり、岡山県岡山市に生まれました。彼の絵画活動は、国内外の多くの芸術家たちとの交流を通じて発展していきました。彼はオーソドックスな日本の美術の枠を超え、国際的な感覚を持つ作家としての地位を確立していきました。

生い立ちと教育

中山は1893年8月24日、岡山県の市長の四男として生を受けました。幼少期から彼は絵画に関心を持ち、1900年に岡山師範学校附属小学校に入学した際、特に中堀愛作の影響を受けて水彩画を描くようになります。その後、津山中学校に進学し、同学年には金田廉や矢野峰人などの友人がいました。中学校在学中に油絵に魅了され、1911年の卒業後には東京へ上京し、葵橋洋画研究所で黒田清輝に師事しました。

留学と影響

1922年、中山はフランス・パリへの留学を果たします。彼は里見勝蔵の紹介を受けてモーリス・ド・ヴラマンクに師事し、多くの芸術家との交流が彼の作品に多大な影響を与えました。1928年に帰国する際、彼の作品は高く評価され、特にアンドレ・サルモンが彼の個展のカタログに序文を寄せました。このような国際的な評価は、彼の自信を高める大きな要因となりました。

活躍と評価

帰国後、中山は在欧時に描いた作品を第9回二科展に出品し、二科賞を受賞。その後、独立美術協会を結成し、中心的な存在として活躍しました。戦中は南方戦線に派遣され、陸軍落下傘部隊の記録画を描いたこともあります。この時に描かれた「神兵奮戦之図」は後に評価されました。

1946年には女子美術大学で教授として活動し、多くの学生を指導しました。1951年には「マチス礼讃」が日本芸術院賞を受賞し、彼の名声は確立されていきました。1958年には脳出血により左半身不随となるも、彼は創作活動を続け、1972年には日蓮正宗総本山の壁画を手がけました。

最晩年

1978年、老衰により84歳で亡くなった中山巍。彼の芸術的な貢献はその死後も評価され続け、創価文化功労賞や勲四等旭日章を受章するなど、多くの功績が残されています。彼の作品や生涯は、日本洋画界において今なお重要な位置を占めています。

作品と出版物

中山巍は多くの著作を残し、彼の回顧展や画集も出版されています。特に『中山巍画集』や『中山巍回顧展―秋季特別展』は、彼の作品を通じて彼の芸術観を伝える重要な資料となっています。彼の名作や試みは、多くの若手画家たちにも影響を与え続けているのです。

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