中山律子

中山律子のプロボウリング人生

中山律子（なかやま りつこ）は、1942年10月12日に群馬県吾妻郡草津町で生まれ、鹿児島県で育った日本のプロボウラーです。女子プロボウリング界の第一期生であり、通算タイトルは33勝を誇ります。永久シード選手である彼女は、公認パーフェクトを2回達成し、プロボウリングの殿堂入りも果たしています。日本プロボウリング協会（JPBA）の会長を8年間務め、その後は名誉会長として活動を続けています。彼女の実績は、ボウリング界のみならず、社会全体に影響を与えました。

鹿児島での青春時代

中学時代の中山は、健康優良児コンテストで第1位に選ばれるなど、その健康的な魅力が注目を集めました。さらに、バレーボールを始め、高校時代には熊本や東京で行われた国民体育大会に出場することになります。1961年に旭精機に入社し、バレーボール選手としてのキャリアをスタートしましたが、2年目には社内のバレー部が解散してしまい、帰郷せざるを得ませんでした。

1965年に鹿児島に戻った彼女は、友人に誘われてボウリングを始めます。初めてのスコアは85点でしたが、その魅力に惹かれ、大きな夢の第一歩を踏み出します。1966年4月の九州大会で準優勝を果たし、翌年には全日本オープン選手権で準優勝しました。この成功が彼女の転機となり、東京タワーボウリングセンターへのスカウトへと繋がります。

プロボウラーとしての活躍

1969年には第一回女子プロテストに挑戦し、最終日にライバルの須田開代子に逆転されながらも2位合格を果たしプロ入りを果たします。その後、女子プロ誕生記念大会で優勝し、1970年には初代全日本プロボウリング選手権でも優勝を果たします。同年8月21日、彼女は女子プロボウラーとして初めて公認パーフェクトゲームを達成し、その名を広めることになります。テレビでの生中継もあり、視聴者やスポンサーを惹きつけ、一大ブームを巻き起こしました。

社会現象とその影響

彼女のパーフェクト達成はテレビ中継され、瞬く間に全国に報道されました。花王のCMなどにも出演し、「さわやか律子さん」としての名が広まりました。この時代の中山律子は、女子プロボウラーとして最強の存在とされ、競技者としてだけでなく、アイコンともなりました。

その後の活動

中山は引退後もボウリングの普及活動を続けています。彼女はジャパンレディースボウリングクラブの設立に尽力し、会長職を経て名誉会長となりました。また、日本プロボウリング協会の会長としても多くの実績を残し、ボウリングの新たなムーブメントを生み出しました。2012年から名誉会長を務めており、さらなる普及活動を展開しています。

主な戦績と記録

中山のプロとしての戦績は数々に及びます。通算33勝を誇り、その中には女子プロ誕生記念大会や全日本女子プロボウリング選手権の優勝、さらには全米オールスター・トーナメントでも上位入賞を果たしています。また、彼女の記録には女子プロボウラーとしての初のパーフェクトゲームの達成や、多くのハイシリーズ記録も記されています。

エピソードと人間性

彼女はその美貌と才能に加え、多くのエピソードを持っています。オリンピック選手のような動物的直感や、完璧主義者の須田に対するライバル関係はボウリングファンの間で語り継がれる人気の話題です。友人やライバルとの交流も彼女の人柄を理解する手掛かりとなっており、それがボウリング界への影響にも繋がっています。

中山律子は、ただのボウラーではなく、日本のスポーツ界において特に女性の地位向上に寄与した偉大なスポーツ人物であり、今もなおその影響力は色あせることはありません。

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