草津町

群馬県草津町：日本一高い場所に位置する温泉郷

草津町は、群馬県北西部に位置する吾妻郡に属する町です。地元では「くさづ」と呼ばれることもあります。町の周囲は、北と西を2000メートル級の山々に、東と南を標高約1200メートルの高原に囲まれた、自然豊かな環境にあります。草津白根山周辺は上信越高原国立公園に指定され、太平洋と日本海の分水嶺にもなっています。なお、白根山周辺の一部は、隣接する長野県嬬恋村との境界が未定となっています。

草津町は、その名も示すように、草津温泉で広く知られています。近年では、隣接する嬬恋村における地熱発電所建設計画に際し、温泉枯渇の懸念から反対運動が展開されました。この経緯から、2022年には町内で地熱資源の掘削を行う際には、温泉法による知事許可に加え、町の許可も必要とする条例が制定されました。

草津町の平均標高は1188.9メートルと、全国の町の中でも最も高く、町役場の標高も1181メートルと日本一高い町役場として知られています。

地理と気候

草津町は、群馬県長野原町、中之条町、嬬恋村、そして長野県高山村と隣接しています。気候は、ケッペンの気候区分で亜寒帯湿潤気候および湿潤大陸性気候に分類されます。12月から3月にかけては日平均気温が氷点下となり、豪雪地帯に指定されるほど、厳しい寒さと多量の降雪に見舞われます。過去には、日中の最高気温が-10℃を下回る日もあり、1984年2月7日には-12.0℃、2023年1月25日には-11.4℃という記録が残されています。

歴史

草津町の地名は、硫黄の臭いの強い温泉を指す「くさみず」や「くそうづ」に由来し、室町時代後期には「草津」と表記されるようになりました。江戸時代には、草津温泉の利用を規制する「草津村御法度の次第」が制定されるなど、温泉地としての歴史が古くから存在します。戦国時代以降は、傷病者、特にハンセン病患者が多く訪れる湯治場として栄え、明治期の大火を経て、エルヴィン・ベルツやコンウォール・リーといった人物の尽力により、ハンセン病治療に効果的な温泉地としての地位を確立しました。

行政と人口

草津町の行政は、町長と議会によって運営されています。2010年1月30日就任の黒岩信忠氏が町長を務めており（2023年11月時点）、4期目を迎えています。警察は長野原警察署草津町交番、消防は吾妻広域消防本部西部消防署が管轄しています。

姉妹都市・友好都市

草津町は、国内外に多くの姉妹都市・友好都市を有しています。国内では神奈川県葉山町（姉妹都市提携）、滋賀県草津市（友好都市提携）と、海外ではドイツ、オーストリア、オーストラリア、チェコと提携関係を結んでいます。

交通

草津町内には鉄道路線は通っておらず、最寄りの駅としては北陸新幹線軽井沢駅や吾妻線長野原草津口駅が利用されます。かつては草軽電気鉄道（現草軽交通）が運行されていましたが、現在は廃止されています。道路網は、国道292号（志賀草津道路、草津バイパス）、群馬県道55号中之条草津線、群馬県道59号草津嬬恋線が町内を走っています。国道292号は、草津白根山の山頂付近を通過し、渋峠（標高2172メートル）で日本最高地点の国道となっています。冬季には積雪のため、志賀草津道路は閉鎖されます。

バス路線は、草津バスターミナル株式会社が運営する草津温泉駅を中心に、ジェイアールバス関東、草軽交通、高速バスなど複数の事業者によって運行されています。

教育・文化

草津町には、草津町立草津小学校、草津町立草津中学校、草津町立温泉図書館といった教育・文化施設があります。

観光

草津町は、草津温泉をはじめ、草津熱帯圏、片岡鶴太郎美術館、草津温泉スキー場、草津白根山、常布の滝、草津高原ゴルフ場、白根神社など、多くの観光スポットがあります。年間を通して、花祭り、草津国際男子テニス、白根神社祭り、温泉感謝祭、草津国際音楽アカデミー＆フェスティバルなどのイベントが開催されています。

著名な人物

草津町には、多くの著名な人物がゆかりがあります。出身者には、スポーツ選手、政治家、経済人、芸術家などが含まれ、草津温泉に関係した人物としては、エルヴィン・フォン・ベルツなど世界的に著名な人物も含まれます。

スポーツ

ザスパクサツ群馬（2024年からはザスパ群馬）は、草津町をルーツとするサッカーチームです。かつては「ザスパ草津」としてJリーグに所属していましたが、現在は前橋市を中心とした全県ホームタウンとなっています。そのため、クラブと草津町との繋がりは薄くなっています。

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