中山昇 (サッカー選手)

中山 昇（なかやま のぼる）

1987年7月7日、大阪府に生まれた中山昇氏は、元プロサッカー選手であり、現在は指導者として活躍しています。現役時代のポジションはミッドフィールダーでした。

選手キャリア

中山氏は、そのサッカー人生のすべてをセレッソ大阪に捧げた稀有な存在です。9歳でセレッソ大阪のサッカースクールに入校したのを皮切りに、U-12、U-15、U-18と各年代の育成組織を順調に昇り詰め、2006年に念願のトップチームへの昇格を果たしました。まさにセレッソ大阪が生んだ生え抜き選手と言えるでしょう。

選手としては、決して大柄ではない体格でしたが、持ち前のスピードと豊富な運動量を武器に、サイドからの鋭い突破を得意とするサイドアタッカーでした。攻撃面だけでなく、献身的な守備にも貢献できる選手でした。また、ピッチ外では明るいキャラクターでチームに溶け込み、クラブの携帯公式サイトでは「ノボルがレポル」というユニークなコーナーを担当し、ファンからも親しまれていました。

プロデビューは2007年シーズン、J2リーグでのことでした。2007年4月15日に行われたJ2第9節のモンテディオ山形戦で途中出場し、Jリーグの舞台に初めて立ちました。続く第10節の水戸ホーリーホック戦では初の先発出場を果たし、そのポテンシャルを示します。そして、2007年4月25日のJ2第11節、アビスパ福岡戦でプロ初ゴールを記録しました。この年はJ2リーグで7試合に出場しています。

しかし、同年7月には左膝前十字靭帯を損傷するという大きな怪我に見舞われます。懸命なリハビリを経てピッチに戻った後は、従来の攻撃的なポジションに加え、両サイドバックとしてもプレーするなど、新たな可能性を模索しました。

2008年シーズンは、リーグ戦への出場は3試合にとどまりました。そして、シーズン終了後、まだ21歳という若さでプロサッカー選手としてのキャリアに区切りをつける決断をしました。怪我の影響や競争の激しさなど、様々な要因があったと推測されますが、早期の現役引退は多くのファンにとって驚きでした。

指導者キャリア

現役を引退した中山氏は、すぐに指導者の道へと進みました。2009年からは、自身が育ったクラブであるセレッソ大阪のサッカースクールコーチに就任し、若い世代の育成に情熱を注ぎ始めます。

また、クラブからの派遣という形で、サッカー強豪校として知られる興國高等学校のサッカー部コーチも務めています。2014年から2015年、そして2017年からは再び同校のコーチとして、高校年代の選手指導に携わっています。その間、2016年にはセレッソ大阪和歌山U-15のコーチおよびエリートクラスコーチも経験するなど、指導者としての幅を広げてきました。

選手としては短いキャリアでしたが、その経験を活かし、セレッソ大阪の未来を担う子供たちや、プロを目指す高校生たちへの指導を通じて、日本のサッカー界に貢献し続けています。

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