中山町立野中小学校

中山町立野中小学校

中山町立野中小学校は、愛媛県伊予郡中山町（現伊予市）に2005年3月まで存在した公立小学校です。同じく旧中山町にあった永木小学校と共に中山小学校へ統合され、129年の歴史に幕を閉じました。

概要

野中小学校は、旧中山町の東部、野中地区に位置していました。明治初期に設立され、当初は寺子屋的な役割を果たしていました。1871年には栗田地区が校区に加わり、山村の小規模校として地域に根ざした教育活動を展開しました。しかし、過疎化と少子化の影響を受け、児童数は減少の一途を辿りました。長きにわたり中山町立として運営されてきましたが、2005年3月末に永木小学校と共に中山小学校へ統合され、旧中山町域の小学校は中山小学校と佐礼谷小学校の2校に集約されました。

立地

旧中山町域の小学校の中では最も東に位置していました。国道56号から栗田川沿いに県道223号線へ入った谷あいの地域にあり、校地は県道から栗田川を渡った場所に位置していました。東は広田村（現砥部町広田地域）と山を隔てて隣接していました。

校章と校歌

校章は1959年に制定され、青木の育つ野中の地で天に向かって伸びる杉をモチーフに、児童の成長を象徴していました。校歌は1957年に作詞：窪中信吉、作曲：清家嘉壽恵によって制定されました。

歴史

野中小学校の歴史は、明治初期の寺子屋に遡ります。

前史: 下野中組で習字教育が始まり、明治3年には民家を借りて学校が開設されました。
1875年（明治8年）: 野中小学校として開校。当初は民家を借用し、教員1名、児童約60名でスタートしました。
1884年（明治17年）: 天災により校舎が倒壊し、民家を借用して授業を継続しました。
1886年（明治19年）: 野中簡易学校と改称されました。
1892年（明治25年）: 野中尋常小学校として独立しました。
1893年（明治26年）: 新校舎を新築し、移転しました。
1911年（明治44年）: 再び新校舎に移転しました。
1929年（昭和4年）: 栗田地区が中山町に編入されたことに伴い、栗田尋常小学校が廃止され、野中小学校の分教場となりました。また、同時期には中山・野中の両尋常小学校の統合問題が浮上しましたが、地域住民の反対により存続となりました。
1941年（昭和16年）: 国民学校令により、野中国民学校と改称。栗田分教場を廃止し、栗田地区の児童は全員野中国民学校へ通学することになりました。
1947年（昭和22年）: 学制改革により、中山町立野中小学校となりました。
1976年（昭和51年）: 校舎改築落成式が行われ、鉄筋コンクリート造3階建ての新校舎が完成しました。
2005年（平成17年）: 中山小学校へ統合され、閉校しました。閉校式典は永木小学校と合同で開催されました。

跡地

閉校後の跡地の利用状況は不明です。

児童数の推移

1957年の212名をピークに児童数は減少し、閉校時には15名となっていました。

参考文献

中山町『中山町誌』
中山町『追刊 中山町誌』2005年3月

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