伊予郡

伊予郡の概要

伊予郡（いよぐん）は、愛媛県の中部に位置する郡です。2024年12月1日現在の推計人口は49,155人、面積は121.97平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり403人となっています。郡内には、松前町（まさきちょう）と砥部町（とべちょう）の2つの町が含まれています。

歴史

古代

伊予郡は、古代には伊余国造（いよのくにのみやつこ）の領域を中心として成立しました。

式内社

『延喜式』神名帳には、郡内の式内社が記録されています。これは、古代における伊予郡の重要性を示唆しています。

明治維新後

1878年（明治11年）に行政区画として伊予郡が発足しました。当時の郡域は、現在の松前町全域に加えて、松山市の一部（西垣生町、東垣生町、余戸各町、保免各町、市坪各町、出合）と伊予市の一部（双海町各町、中山町各町、平岡、上唐川、両澤、鵜崎を除く）を含んでいました。

町村制以前の沿革

明治初年の支配状況は、「旧高旧領取調帳」に詳細が記されています。当時は3町41村が存在していました。

• - 1871年（明治4年）：廃[[藩置県]]により、松山県、大洲県、新谷県の管轄となりました。
• - 1871年（明治4年）：第一次府県統合により、全域が松山県の管轄となりました。
• - 1872年（明治5年）：石鉄県の管轄となりました。
• - 1872年（明治5年）：重信川以南が宇和島県の管轄となりました。
• - 1872年（明治5年）：宇和島県の管轄地域が神山県の管轄となりました。
• - 1873年（明治6年）：全域が愛媛県の管轄となりました。

明治初年には、黒田村が北黒田村と南黒田村に、垣生村が西垣生村と東垣生村に分割されました。1877年（明治10年）には、釣吉村が鶴吉村に合併しました。1878年（明治11年）12月16日には、郡区町村編制法が施行され、伊予郡が正式に発足し、「伊予下浮穴郡役所」が郡中湊町に設置されました。

町村制以降の沿革

1889年（明治22年）12月15日、町村制が施行され、以下の1町9村が発足しました。

• - 南山崎村：下唐川村、大平村、下浮穴郡両沢村、上唐川村、鵜崎村（一部は砥部町）
• - 北山崎村：三秋村、中村、市場村、森村、本郡村、三島町、尾崎村、稲荷村
• - 郡中町：灘町、湊町、米湊村、下吾川村の一部
• - 郡中村：米湊村、上吾川村、湊町の一部、下吾川村の大部分、南黒田村の一部
• - 南伊予村：下三谷村、上三谷村、上野村、宮下村、八倉村
• - 北伊予村：横田村、徳丸村、出作村、中河原村、鶴吉村、永田村の大部分、大溝村、東古泉村の大部分、神崎村、恵久美村の一部、浜村の一部
• - 岡田村：西古泉村の大部分、恵久美村の大部分、大間村、北川原村、昌農内村、上高柳村、西高柳村、永田村の一部
• - 松前村：北黒田村、浜村の大部分、筒井村、下吾川村の一部、東古泉村の一部、西古泉村の一部、南黒田村の大部分
• - 垣生村：西垣生村、東垣生村（現・松山市）
• - 余土村：余戸村、保免村、市坪村（現・松山市）

1897年（明治30年）4月1日には、郡制が施行され、伊予郡と下浮穴郡の一部が統合されました。この際、原町村、砥部村、広田村、中山村、出淵村、下灘村、上灘村、佐礼谷村が新たに伊予郡に属し、垣生村と余土村は温泉[[郡]]に移管されました。

20世紀に入ると、町村の合併や町制施行が進みました。

• - 1907年（明治40年）1月1日：出淵村と中山村が合併し、中山村となりました。
• - 1921年（大正10年）9月3日：上灘村が町制施行し、上灘町となりました。
• - 1922年（大正11年）10月31日：松前村が町制施行し、松前町となりました。
• - 1925年（大正14年）4月1日：中山村が町制施行し、中山町となりました。
• - 1928年（昭和3年）11月10日：砥部村が町制施行し、砥部町となりました。

その後も、町村の合併は続き、現在の形に至っています。

• - 1955年（昭和30年）1月1日：南山崎村、北山崎村、郡中町、南伊予村が合併し、伊予市が発足し、郡から離脱しました。
• - 1955年（昭和30年）2月1日：中山町と佐礼谷村が合併し、中山町となりました。
• - 1955年（昭和30年）3月31日：砥部町と原町村が合併し、砥部町となりました。松前町、北伊予村、岡田村が合併し、松前町となりました。上灘町と下灘村が合併し、双海町となりました。
• - 2005年（平成17年）1月1日：砥部町と広田村が合併し、砥部町となりました。
• - 2005年（平成17年）4月1日：伊予市、中山町、双海町が合併し、伊予市が発足しました。

現在の伊予郡

現在の伊予郡は、松前町と砥部町の2つの町で構成されています。これらの町は、豊かな自然と歴史的な文化を持ち合わせており、多様な魅力があります。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 38 愛媛県、角川書店、1981年10月1日。ISBN 4040013808。
旧高旧領取調帳データベース

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