中川健太

中川健太（なかがわ けんた）は、1985年8月7日に東京都墨田区で生まれた日本のプロボクサーです。

サウスポーの構えから繰り出される強力な左パンチは「サンダーレフト」と称され、彼の最大の武器となっています。しかし、興味深いことに、本人は実は右利きです。血液型はA型。

プロキャリアはロッキージムで始まり、その後レイスポーツボクシングジムに移籍して日本王座を獲得しました。現在は三迫ボクシングジムに所属しています。

彼のボクシング人生の始まりは、中学校時代の野球部からでした。高校に入学後、親友である船井龍一氏と共にボクシング部を創設。卒業後の2004年12月にプロデビューを果たします。デビュー後8ヶ月の間に3戦（2勝1敗）を経験しましたが、一度はリングを離れ、一般企業に就職しました。しかし、親友・船井氏の活躍に感化され、2011年に約6年のブランクを経て現役復帰を決意。再びプロの舞台に戻ってきました。

復帰後、スーパーフライ級で頭角を現し、2016年10月6日、空位となっていた日本スーパーフライ級王座を賭け、木村隼人選手と対戦。激しい判定の末、2-1で勝利を収め、第38代日本スーパーフライ級王者となりました。しかし、その初防衛戦の相手は、高校時代にボクシング部を共に作った親友、船井龍一氏でした。2017年3月22日に行われたこの一戦は多くの注目を集めましたが、7回TKO負けを喫し、王座から陥落しました。

王座を失った中川選手は、再起を目指し戦い続けます。2019年12月8日には、大阪で第42代日本スーパーフライ級王者・奥本貴之選手に挑戦。10回判定3-0で勝利し、見事に日本王座に返り咲きました。この王座は指名挑戦者のユータ松尾選手相手に負傷判定で初防衛に成功しましたが、2020年12月14日、WBOアジアパシフィック王者だった福永亮次選手との王座統一戦でTKO負けを喫し、日本王座を再び手放すこととなりました。同時に、OPBF東洋太平洋王座の獲得も逃しました。

二度目の王座陥落後も諦めず、2022年4月23日、エディオンアリーナ大阪にて、日本スーパーフライ級王座決定戦で久高寛之選手と対戦。10回判定3-0で勝利し、自身3度目となる第44代日本スーパーフライ級王者となりました。久高選手はこの試合後、現役を引退しました。中川選手は同年8月9日に梶颯選手相手に判定勝ちでこの王座の初防衛に成功しましたが、10月24日付けで王座を返上しました。

日本王座返上後、今度はWBOアジアパシフィックスーパーフライ級王座を目指します。2023年2月14日、後楽園ホールで行われた王座決定戦で古谷昭男選手に判定勝利し、WBOアジアパシフィック王者となりました。同年7月1日には白石聖選手を相手に判定で初防衛を果たしましたが、2024年4月6日、大橋哲朗選手との防衛戦で10回TKO負けを喫し、王座から陥落しました。

しかし、彼の挑戦は続きます。2025年4月19日、自身初の海外遠征として韓国へ赴き、JBC非公認ながらWBOオリエンタルスーパーフライ級王座決定戦に出場。韓国スーパーフライ級王者の金承悦選手と対戦し、3回TKO勝利を収め、再起とともに新たなタイトルを獲得しました。

プロボクシングでの通算戦績は31戦25勝（13KO）5敗1分。「サンダーレフト」の名の通りKO勝ちも多いですが、キャリアの中で引退と復帰、親友との対戦、複数回の王座獲得・陥落を経験するなど、多くのドラマを経て、今なおリングに立ち続けるベテランボクサーです。

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