中川弘

中川 弘とは

中川 弘（なかがわ ひろむ、1911年2月20日 - 2011年3月14日）は、日本の政治家であり、第9代福山市長を務めた。彼は1911年に広島県沼隈郡神島村（現在の福山市）に生まれ、地元の中学校を卒業後、さまざまな職業に従事してきた。

学歴と職業経歴

中川は、1928年に広島県立福山誠之館中学校を卒業。その後、彼は蚕糸業や削鰹製造業に関わった。1940年には中国に渡り、天津市で藁工品の製造業を営んでいたが、1945年には現地で召集され、戦争の影響を受けることとなる。戦後、1946年に引き揚げて日本に帰国した。

政治への道

帰国後、中川は公職追放を受けていた元衆議院議員・宮澤裕からの影響を受け、政治に関与するようになった。1947年には福山市議会議員に初当選し、1951年に広島県議会議員に選出される。この後、彼は1979年まで8回連続で再選されるなど、地域政治に長年寄与していった。

福山市長としての活動

1979年7月28日、当時の市長立石定夫が衆院選に出馬するため辞職した後、中川は福山市長選挙に立候補することを表明。引揚者団体や広島県遺族会などの支援を受け、1980年の選挙で初当選を果たす。市長としての任期中、彼は市政運営に多くの努力を注ぎ、特に1981年にはその経済収支比率を94.8%にまで改善する成果を挙げた。

しかし、彼の市政には暗い影もあった。1982年には市議会の土屋陽光助役が収賄容疑で逮捕され、事務職員の汚職事件が報じられるなど、混乱した状況を迎えた。これに伴い、1983年の市長選挙では牧本幹男に大差で敗北し、2期目の当選は果たせなかった。

晩年と栄典

2011年に100歳で逝去した中川弘は、その貢献を認められ、死去した日には従四位に叙せられた。彼の政治家としての道のりや活動は、福山市の発展に寄与した重要なものであり、地域社会において重要な存在感を放っていた人物であった。

彼はまた、1981年に藍綬褒章、1986年には勲三等旭日中綬章を受章しており、その功績が広く評価されていたことも知られている。彼の人生は、戦争を経験しながらも地方政治に尽力し、地域に根ざした貢献をし続けたものである。

参考文献

• - 福山市史 近代現代資料編Ⅰ 政治・行財政（2013年）

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