中期防衛力整備計画 (2011)

中期防衛力整備計画（平成23中期防）について

中期防衛力整備計画、通称「中期防」とは、日本の自衛隊による国防計画の一部を指します。本計画は、2011年4月から2016年3月までの間における日本の防衛戦略を示すもので、特にポリシーや方針が変更されたことが特徴です。2012年12月に実施された第46回衆議院選挙を受け、自由民主党が政権を奪還し、新たな防衛政策が立ち上げられました。その後、23中期防は2013年に正式に廃止となり、26中期防へと引き継がれる形となりました。

背景と策定の経緯

平成22年度の防衛費は前年よりわずかに減少し、約4兆6,800億円となりました。この年度における中期防の策定は、2009年末の予定から1年遅れたため、初めて防衛計画に空白期間が発生しました。この遅れは、次期戦闘機導入計画（F-X）にも影響を及ぼし、関連の部品製造業者が事業から撤退するという事態を招くことにもなりました。

自民党政権下で進められた中期防計画は、当初、米軍の再編および防衛省の組織改革を中心に据えていました。具体的には、制服組と背広組のより効率的な運用を図るために、それぞれの機能を統合するという考えがありました。そして、陸上自衛隊においては、東部方面隊の廃止や新たに陸上総隊司令部の設立を含むその後の大々的な組織改編を進める計画でした。

平成22年度の防衛方針

平成22年度の防衛関係費は、2009年12月の閣議決定に基づき編成されました。この年は特に防衛大綱と照らし合わせた計画が不在でしたが、それにもかかわらず、陸海空各自衛隊において新型装備の要求が挙げられました。特に、陸上自衛隊では、老朽化した装備の代替を求める声が上がり、新型主力戦車やヘリコプター搭載護衛艦の整備が急務となっていました。

政権交代と中期防策定

その後、政権交代に伴い、民主党政権下で初の中期防が策定されることになりました。平成22年12月に閣議決定がなされ、以降の防衛施策の方向性が示されました。この新しい中期防では、在日米軍の再編に伴う部隊司令部の移転や、陸上自衛隊の組織改編が盛り込まれました。特に、航空自衛隊の指揮所を横田飛行場へ移転することや、陸上自衛隊の即応部隊の整備が進められました。

組織と装備の見直し

中期防においては、人事施策や組織改編も大きな課題となりました。例えば、自衛隊中央病院の機能を見直すとともに新たに看護学科の設置が計画されました。また階級制度の改編も行われ、士官と下[[士官]]の俸給表の別建て化や、准尉階級の廃止といった大幅な見直しがなされました。

まとめ

中期防衛力整備計画は日本の国防政策の中で極めて重要な位置を占める枠組みでした。特にこの期間の計画は、政権交代による戦略的転換や国際情勢の変化に応じて、新たな防衛力を整備するうえでの基盤となりました。今後の防衛政策においても、これらの教訓を生かしつつ、持続可能な国防体制の確立が求められます。

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