中本直樹 (実業家)

中本 直樹

中本 直樹（なかもと なおき、1975年 - ）は、日本の実業家であり、株式会社イオシスの創業者、そして現在の代表取締役会長です。同社はリユースされたスマートフォンやタブレットの販売・買取を主要事業としており、この分野におけるリーディングカンパニーの一つとして知られています。

生い立ちと起業

1975年1月17日、大阪府大阪市に生まれた中本氏は、祖父や両親も商売人という環境で育ちました。幼い頃から商売の感覚を自然と身につけていったと言います。12歳の時にはパソコンを購入し、プログラミングの世界に没頭。当初はゲームプログラマーを志し、16歳（1991年）には大阪の電気街である日本橋のパソコンショップで働き始めました。しかし、21歳になった頃、ゲーム会社への就職活動は思うように進まず、プログラマーへの道を断念せざるを得ませんでした。

この転機が、後の事業へと繋がります。手元にあったわずか7万円の資金を元手に、個人商店として「イオシス」を創業しました。これが、現在のリユース事業大手となる会社の始まりです。

事業の成長と多角化の試み

創業から2年後の1998年、23歳で「イオシス」を有限会社化。翌1999年には、かつての夢であったゲーム開発への情熱が再燃し、社内にコンシューマソフト開発部を設立してゲーム開発に注力しました。そして2000年には、イオシスとして初のゲームソフト「デルタワープ」を世に送り出します。しかし、ゲーム開発と並行して、リユース事業は着実に成長を遂げていました。2001年には26歳で会社を株式会社に改組し、事業基盤をさらに強化しました。

全国展開と体制強化

事業の拡大は続き、2005年、31歳の時に東京の電気街である秋葉原にもイオシスを出店。これにより、全国的な認知度と販売網を広げました。2014年には、CCCモバイル株式会社と資本業務提携を結び、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社（CCC）グループの一員となることで、経営基盤の安定とさらなる成長機会を得ました。

2016年には名古屋への出店を果たし、全国の主要都市に拠点を構えるまでに成長しました。創業20周年を迎えたこの年には、記念事業として東京ドームを貸し切り、大規模な運動会を開催するなど、ユニークな企業文化も築いています。また、同年には株式会社ウルスの吸収合併や、リユース品の品質向上・効率化を図るリファビッシュセンターの開設など、内部体制の整備にも積極的に取り組みました。

独立と新たなパートナーシップ

2022年、中本氏はイオシスの新たなステージを目指し、親会社であったCCC株式会社が保有するイオシスの株式を買い取り、MBO（マネジメント・バイアウト）を実施しました。これにより、再び独立した経営体制を確立しました。同時に、株式取得に伴う持株会社として、株式会社イオシス ホールディングスを設立。また、同年には子会社の株式会社フラッシュエージェントの全株式を譲渡するなど、事業ポートフォリオの見直しも行いました。

そして2024年には、株式会社イオシスホールディングスに対して丸紅株式会社が40％の出資を行い、資本業務提携を締結しました。これにより、大手総合商社との連携による新たな事業展開やグローバルな視野での成長が期待されています。同年、中本氏は株式会社イオシスの代表取締役会長に就任し、創業会長として経営を牽引しています。

人物像

実業家として多忙な日々を送る中、中本氏は趣味の時間も大切にしています。特にゴルフ、釣り、ギターは長年の趣味として知られており、これらの活動が経営におけるインスピレーションやリフレッシュに繋がっているのかもしれません。

商売人の家系に生まれ、ゲーム開発の夢を経てリユース事業で成功を収めた中本直樹氏。彼の経営手腕と先見性が、イオシスをリユース業界における確固たる地位へと導きました。今後のイオシスホールディングスと丸紅との提携による展開にも注目が集まっています。

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