丸紅

丸紅株式会社 (Marubeni Corporation)

丸紅株式会社は、東京都千代田区大手町に本社を置く、日本を代表する大手総合商社の一つです。芙蓉グループに属し、特にみずほ銀行との関係が深い企業です。日経平均株価やTOPIX Large70の構成銘柄としても知られています。社是である「正 新 和」（英：Fairness, Innovation and Harmony）は同社の基本理念を示しています。

概要

丸紅は、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事と並んで、いわゆる五大商社の一角を成しています。1960年代と1970年代の初め頃には、三井物産や三菱商事と並び「スリーエム」と呼ばれる時代を迎えていました。しかし、伊藤忠商事の合併や住友商事の成長、さらにはロッキード事件などの影響によって、その後は業績が低下する時期もありました。特に1997年のアジア通貨危機では、丸紅も深刻な影響を受け、負債を抱える状況となるなど、経済的な危機に直面しましたが、中期再建計画「Action21 A Plan」に基づいて業績を回復させました。

その後、丸紅は「商社夏の時代」と称される活況を享受しました。特に紙・パルプ部門、食料部門、電力部門においては強力な競争力を持ち、資源価格の高騰なども後押しとなり、2013年には売上高が七大商社中第3位となりました。

経済変動と業績

しかし、2020年3月には産油国による減産合意の終了と、新型コロナウイルスの影響で原油価格が急落しました。その結果、メキシコ湾岸油田や北海油田での石油・ガス開発事業が大きな損失を引き起こしました。同年3月には、年度の最終利益が最大1900億円の赤字になるとの見通しが発表されましたが、2021年には原油価格や銅などの資源価格が回復し、2253億円の黒字へと転換することに成功しました。

沿革

丸紅の歴史は1858年に始まり、初代伊藤忠兵衛が麻布で始めた行商が創業のスタートです。以来、幾度かの分割や合併を経て、1949年に丸紅株式会社として正式に設立されました。その後も、1955年に貿易会社との合併や、1966年にの再編成を行い、2001年には鉄鋼製品部門を伊藤忠商事と統合しました。さらに、2021年には富山市に北陸支店を開設しました。

事業内容と拠点

丸紅は、多様な事業領域を展開しています。主に生活産業、素材、エネルギー・金属、電力・プラント、輸送機といった分野で活動しています。国内外に132の拠点を持ち、67カ国・地域で事業を展開しています。特に東京に本社を置き、主要都市にも支社を構えることで、地方との連携を図っています。

不祥事とその影響

丸紅は、過去にいくつかの不祥事にも直面しています。特に、ロッキード事件をはじめとする贈賄事件や、子会社の独占禁止法違反などが報じられました。これらの事件は企業の信頼性に影響を与える素材となりましたが、会社は反省を経て、コンプライアンス体制の強化を進めています。

続々と成長を続ける丸紅は、これからの時代においても持続可能な成長を目指し、国際的な市場での競争力を高めていくことが期待されています。

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