中村まり (シンガーソングライター)

中村まり（なかむら まり、1977年 - ）は、アコースティック・ギターの弾き語りスタイルで活動するシンガーソングライターです。

幼少期からギターに親しみ、14歳からの約4年間をアメリカのオハイオ州シンシナティで過ごした経験が、彼女の音楽性に大きな影響を与えました。アメリカン・フォークやカントリー・ブルースといったルーツミュージックに強く影響を受け、オリジナル曲はすべて英語詞で制作されています。ライブでは、60～70年代のフォークソング、戦前カントリー・ブルース、オールド・タイム・ミュージック、ブルーグラスなど幅広いジャンルの楽曲をカバーしており、そのレパートリーはロン・セクスミスやポール・マッカートニーといった現代のアーティストにも及びます。

2005年には、MULE RECORDSから1stアルバム『SEEDS TO GROW』をリリースし、同年のフジロックフェスティバルに初出演しました。その後も2006年のハイドパーク・ミュージック・フェスティヴァルや、2007年、2009年のエイモス・ギャレット、2010年のジェフ・マルダー＆エイモス・ギャレットの来日公演にゲスト出演するなど、精力的な活動を展開しました。特に、マリア・マルダーの「真夜中のオアシス」をカバーしたことは、彼女の音楽性を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

2009年には、2ndアルバム『Beneath The Buttermilk Sky』をリリースし、再びフジロックフェスティバルに出演。その後もロンサムストリングスとのコラボレーションを深め、2011年には『folklore session』、2012年には『Afterthoughts』をリリースしました。2011年には、彼女の楽曲「Night Owls」がマイクロソフトのショートムービーに使用されたり、細野晴臣のアルバム『HOSONOVA』にコーラスとして参加するなど、活動の幅を広げています。また、2013年にはTOYOTAプリウスのテレビCMソングに起用されるなど、その音楽は多方面で評価されています。

彼女の音楽の特徴の一つに、使用楽器へのこだわりがあります。メインギターは1965年製のMARTIN OOO-18であり、その音色は彼女の音楽に深みを与えています。さらに、アルバムジャケットや自身のウェブサイトに掲載されているイラストも自ら手がけるなど、多才な一面も持っています。

アルバム

『Seeds To Grow』 (2005) Mule Records ANTX-1016
『Beneath The Buttermilk Sky』 (2009) Mule Records ANTX-1017
『Folklore Session』(Lonesome Strings & Mari Nakamura) (2011) MIDI MDCL-1515
『Afterthoughts』(Lonesome Strings & Mari Nakamura) (2012) MIDI MDCL-1528
自主制作『Traveler & Stranger』 (2002) ライヴ会場のみ販売のCD-R

参加作品

LONESOME STRINGS 『Some Happy Day-LIVE PERFORMANCE Archives Vol.1(2004-2009)』 (2009)
sakana 『campolano』 (2011)
細野晴臣 『HOSONOVA』 (2011)
LONESOME STRINGS 『2000～2012 Anthology of This String Band』 (2012)
Darjeeling『８芯二葉～梅鶯Blend』（2018）

参考文献

天辰保文 『ゴールドラッシュのあとで 天辰保文のロックスクラップブック』音楽出版社、2008年。
『MUSIC MAGAZINE』2009年7月号 株式会社ミュージック･マガジン

外部リンク

中村まり Official Site
中村まり MySpace
中村まりインタビュー（09年6月 CINRA.NET掲載）
HMV ONLINE 無人島 ～俺の10枚～【中村まり 編】（11年3月）
* 中村まりインタビュー（11年9月 one man dog, obi one blog掲載）

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