マリア・マルダー
マリア・マルダーは、1943年9月12日にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジで生まれました。幼少期からカントリー、R&Bなど多様な音楽に触れ、1960年代にフォーク音楽の中心地となったグリニッジ・ヴィレッジで音楽活動を開始しました。本名であるマリア・ダマト名義で、ジョン・セバスチャン、デイヴィッド・グリスマンらが在籍したイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドに参加し、1964年にデビューアルバムをリリースしますが、バンドはすぐに解散しました。
その後、マリアは拠点をマサチューセッツ州ケンブリッジに移し、ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドに加入します。このバンドでジェフ・マルダーと出会い結婚。1968年にバンドは解散したものの、二人はジェフ＆マリア・マルダーとして活動を継続し、2枚のアルバムを発表しました。1972年に二人は離婚し、それぞれソロの道を歩み始めます。
1973年、マリアはソロデビューアルバム『オールド・タイム・レイディ』をリリースしました。このアルバムに収録された「真夜中のオアシス」は、ビルボードのポップチャートで6位を記録する大ヒットとなり、彼女の代表曲として広く知られるようになりました。この曲では、エイモス・ギャレットの個性的なギタープレイも注目を集めました。1974年には、2枚目のアルバム『ドーナッツ・ショップのウェイトレス』を発表し、「I'm A Woman」や「It Ain't the Meat (It's the Motion)」など、イーヴン・ダズン時代からのレパートリーを収録し、これも彼女の代表作の一つとなっています。
1970年代末までリプリーズに所属していたマリアは、1980年代に入るとインディーズレーベルから2枚のゴスペルアルバムをリリースしました。1984年には、ドクター・ジョンをゲストに迎え、ジャズとブルースのスタンダード集『Sweet and Slow』を発表しました。1990年代にはニューオーリンズのブルース、R&B系レーベルであるブラックトップと契約し、ニューオーリンズとルイジアナの雰囲気を色濃く出した『Louisiana Love Call』をリリース。ブラックトップからもう一枚アルバムをリリースした後、カナダのストーニー・プレインからジャズ色の強い『Jazzabelle』を発表しました。
1996年以降はテラークから複数のアルバムをリリースし、1999年の『Meet Me Where They Play the Blues』は、ブルースピアニストのチャールズ・ブラウンとの共作となる予定でしたが、彼の体調悪化により、病室でマリアとデュエットした「Gee Baby, Ain't I Good To You」が収録され、これが彼の最後のレコーディングとなりました。テラークからはその他に、ペギー・リーのソングブック『A Woman Alone with the Blues』(2003年)や、ボブ・ディランのソングブック『Heart of Mine』(2006年)などもリリースしています。
2001年にはストーニー・プレインに戻り、アルバム『Richland Woman Blues』をリリース。このアルバムは、マリアが敬愛するメンフィス・ミニーなどの戦前ブルースアーティストをカバーした作品で、ジョン・セバスチャン、タジ・マハール、ボニー・レイットなどの豪華ゲストが参加しました。その後も、戦前ブルースをテーマにしたコンセプトアルバム『Sweet Lovin' Ol' Soul』(2005年)や『Naughty, Bawdy, And Blue』(2007年)などを発表しています。
マリア・マルダーの音楽は、ブルース、ジャズ、フォークといったアメリカンルーツミュージックへの深い愛情と、ジャンルにとらわれない自由な表現が魅力です。彼女の歌声は、温かみがあり、聴く人を魅了します。長年のキャリアを通じて、常に新しい音楽への探求心を失わず、自身のルーツを大切にしながら、幅広い音楽ファンを魅了し続けています。
ディスコグラフィー
イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド
1964年 Even Dozen Jug Band (Elektra)
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド
1964年 Jug Band Music (Vangaurd)
1964年 See Reverse Side for Title (Vanguard)
1966年 The Best of Jim Kweskin & The Jug Band (Vanguard)
1967年 Garden of Joy (Reprise)
ジェフ&マリア・マルダー
1970年 Pottery Pie (Reprise)
1972年 Sweet Potatoes (Reprise)
ソロ作品
1973年 オールド・タイム・レイディ Maria Muldaur (Reprise)
1974年 ドーナッツ・ショップのウェイトレス Waitress in a Donut Shop (Reprise)
1976年 Sweet Harmony (Reprise)
1978年 Southern Winds (Reprise)
1979年 Open Your Eyes (Reprise)
1980年 Gospel Nights (Takoma)
1982年 There Is A Love(Myrrh)
1984年 Sweet and Slow (Tudor)
1986年 Transblucency (Uptown)
1987年 Live in London (Making Waves)
1990年 On the Sunny Side (Music For Little People)
1992年 Louisiana Love Call (Black Top)
1994年 Meet Me at Midnite (Black Top)
1994年 Jazzabelle (Stony Plain)
1996年 Fanning the Flames (Telarc)
1998年 Southland of the Heart (Telarc)
1998年 Swingin' in the Rain (Music For Little People)
1999年 Meet Me Where They Play the Blues (Telarc)
2001年 Richland Woman Blues (Stony Plain)
2002年 Animal Crackers in My Soup (Music For Little People)
2003年 A Woman Alone with the Blues...Remembering Peggy Lee (Telarc)
2004年 Sisters and Brothers (Telarc) ※エリック・ビブ、ロリー・ブロックとの共作
2004年 Love Wants to Dance (Telarc)
2005年 Sweet Lovin' Ol' Soul (Stony Plain)
2006年 Heart of Mine: Maria Muldaur Sings Love Songs of Bob Dylan (Telarc)
2007年 Naughty, Bawdy, And Blue (Stony Plain)
2008年 Yes We Can! (Telarc)
2009年 Maria Muldaur & Her Garden of Joy (Stony Plain)
2010年 Barnyard Dance: Jug Band Music for Kids (Music For Little People)
2011年 Steady Love (Stony Plain)
2012年 First Came Memphis Minnie: A Loving Tribute (Stony Plain)
2018年 Don't You Feel My Leg: The Naughty Bawdy Blues of Blue Lu Barker (The Last Music Company)
2021年 Let's Get Happy Together (Stony Plain) with Tuba Skinny
外部リンク
公式サイト (英語)
マリア・マルダー - オールミュージック (英語)
Illustrated Even Dozen Jug Band Discography (英語)
* ワーナーミュージック・ジャパン - ジェフ＆マリア・マルダー
その後、マリアは拠点をマサチューセッツ州ケンブリッジに移し、ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドに加入します。このバンドでジェフ・マルダーと出会い結婚。1968年にバンドは解散したものの、二人はジェフ＆マリア・マルダーとして活動を継続し、2枚のアルバムを発表しました。1972年に二人は離婚し、それぞれソロの道を歩み始めます。
1973年、マリアはソロデビューアルバム『オールド・タイム・レイディ』をリリースしました。このアルバムに収録された「真夜中のオアシス」は、ビルボードのポップチャートで6位を記録する大ヒットとなり、彼女の代表曲として広く知られるようになりました。この曲では、エイモス・ギャレットの個性的なギタープレイも注目を集めました。1974年には、2枚目のアルバム『ドーナッツ・ショップのウェイトレス』を発表し、「I'm A Woman」や「It Ain't the Meat (It's the Motion)」など、イーヴン・ダズン時代からのレパートリーを収録し、これも彼女の代表作の一つとなっています。
1970年代末までリプリーズに所属していたマリアは、1980年代に入るとインディーズレーベルから2枚のゴスペルアルバムをリリースしました。1984年には、ドクター・ジョンをゲストに迎え、ジャズとブルースのスタンダード集『Sweet and Slow』を発表しました。1990年代にはニューオーリンズのブルース、R&B系レーベルであるブラックトップと契約し、ニューオーリンズとルイジアナの雰囲気を色濃く出した『Louisiana Love Call』をリリース。ブラックトップからもう一枚アルバムをリリースした後、カナダのストーニー・プレインからジャズ色の強い『Jazzabelle』を発表しました。
1996年以降はテラークから複数のアルバムをリリースし、1999年の『Meet Me Where They Play the Blues』は、ブルースピアニストのチャールズ・ブラウンとの共作となる予定でしたが、彼の体調悪化により、病室でマリアとデュエットした「Gee Baby, Ain't I Good To You」が収録され、これが彼の最後のレコーディングとなりました。テラークからはその他に、ペギー・リーのソングブック『A Woman Alone with the Blues』(2003年)や、ボブ・ディランのソングブック『Heart of Mine』(2006年)などもリリースしています。
2001年にはストーニー・プレインに戻り、アルバム『Richland Woman Blues』をリリース。このアルバムは、マリアが敬愛するメンフィス・ミニーなどの戦前ブルースアーティストをカバーした作品で、ジョン・セバスチャン、タジ・マハール、ボニー・レイットなどの豪華ゲストが参加しました。その後も、戦前ブルースをテーマにしたコンセプトアルバム『Sweet Lovin' Ol' Soul』(2005年)や『Naughty, Bawdy, And Blue』(2007年)などを発表しています。
マリア・マルダーの音楽は、ブルース、ジャズ、フォークといったアメリカンルーツミュージックへの深い愛情と、ジャンルにとらわれない自由な表現が魅力です。彼女の歌声は、温かみがあり、聴く人を魅了します。長年のキャリアを通じて、常に新しい音楽への探求心を失わず、自身のルーツを大切にしながら、幅広い音楽ファンを魅了し続けています。
ディスコグラフィー
イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド
1964年 Even Dozen Jug Band (Elektra)
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド
1964年 Jug Band Music (Vangaurd)
1964年 See Reverse Side for Title (Vanguard)
1966年 The Best of Jim Kweskin & The Jug Band (Vanguard)
1967年 Garden of Joy (Reprise)
ジェフ&マリア・マルダー
1970年 Pottery Pie (Reprise)
1972年 Sweet Potatoes (Reprise)
ソロ作品
1973年 オールド・タイム・レイディ Maria Muldaur (Reprise)
1974年 ドーナッツ・ショップのウェイトレス Waitress in a Donut Shop (Reprise)
1976年 Sweet Harmony (Reprise)
1978年 Southern Winds (Reprise)
1979年 Open Your Eyes (Reprise)
1980年 Gospel Nights (Takoma)
1982年 There Is A Love(Myrrh)
1984年 Sweet and Slow (Tudor)
1986年 Transblucency (Uptown)
1987年 Live in London (Making Waves)
1990年 On the Sunny Side (Music For Little People)
1992年 Louisiana Love Call (Black Top)
1994年 Meet Me at Midnite (Black Top)
1994年 Jazzabelle (Stony Plain)
1996年 Fanning the Flames (Telarc)
1998年 Southland of the Heart (Telarc)
1998年 Swingin' in the Rain (Music For Little People)
1999年 Meet Me Where They Play the Blues (Telarc)
2001年 Richland Woman Blues (Stony Plain)
2002年 Animal Crackers in My Soup (Music For Little People)
2003年 A Woman Alone with the Blues...Remembering Peggy Lee (Telarc)
2004年 Sisters and Brothers (Telarc) ※エリック・ビブ、ロリー・ブロックとの共作
2004年 Love Wants to Dance (Telarc)
2005年 Sweet Lovin' Ol' Soul (Stony Plain)
2006年 Heart of Mine: Maria Muldaur Sings Love Songs of Bob Dylan (Telarc)
2007年 Naughty, Bawdy, And Blue (Stony Plain)
2008年 Yes We Can! (Telarc)
2009年 Maria Muldaur & Her Garden of Joy (Stony Plain)
2010年 Barnyard Dance: Jug Band Music for Kids (Music For Little People)
2011年 Steady Love (Stony Plain)
2012年 First Came Memphis Minnie: A Loving Tribute (Stony Plain)
2018年 Don't You Feel My Leg: The Naughty Bawdy Blues of Blue Lu Barker (The Last Music Company)
2021年 Let's Get Happy Together (Stony Plain) with Tuba Skinny
外部リンク
公式サイト (英語)
マリア・マルダー - オールミュージック (英語)
Illustrated Even Dozen Jug Band Discography (英語)
* ワーナーミュージック・ジャパン - ジェフ＆マリア・マルダー
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