中村一也

中村 一也（なかむら かずや）について

中村一也は1987年生まれの社会運動家であり、元ジャニーズ事務所のメンバーとして、その社会的な活動が注目されています。彼の活動の背景には、ジャニーズ事務所での辛い体験が大きく関わっています。彼は2000年の13歳の時に同事務所に入所しました。レッスンの合間を縫って、当時の社長ジャニー喜多川の元へ泊まりに行くことが多くありました。

2002年10月、東京ドームで行われたタッキー&翼のコンサートに出演し、その帰りに再びジャニー喜多川の家に泊まりました。しかし、その夜、中村は初めて性的な被害に遭いました。この出来事が彼の生活を一変させました。翌朝には、ジャニー喜多川から現金を渡されましたが、これをきっかけに彼は事務所に通うことができず、半年後に退所する決断をしました。

退所の際、中村は母親にこの出来事を伝えましたが、母親は法的措置を考えました。しかし、周囲に知られたくない思いが強く、実行には移しませんでした。タッキー&翼のコンサートでは、バックダンサーとして参加していましたが、性被害を受けた後の2日目には、ステージから見る景色が曇って見えたといいます。

ジャニーズ事務所を辞めた後、仲の良かったメンバーからジャニー喜多川が再度の訪問を勧めてきたことを聞かされましたが、中村はそれを拒否しました。彼は、ジャニーズ性加害問題当事者の会の発起人の一人として、被害者の救済活動に取り組んでいます。しかし、2023年6月以降、SNS上では彼に対する誹謗中傷が増加し、20回以上にわたり、武南警察署に被害届を提出することになりました。

また、彼はこのような行為が「心の殺人」と表現し、自己の心の傷の深さを訴えています。2023年6月にジャニーズ事務所が設立した心のケア相談室に連絡をした際には、担当者が名乗らず、具体的な心のケアについての回答も得られず、事務的な対応に失望しました。相談室の設立意図に疑問を抱く彼の姿勢は、さらに強化されています。

2024年5月、中村は旧ジャニーズ事務所の元社員2名による性加害問題の捜査を求めて赤坂警察署に要望書を提出しました。この事件は、テレビ番組で発表された際、同社の社長である東山紀之が認めたことでも注目を集めました。

さらに、中村は「ワニズアクション」という団体を創設し、子供への性暴力根絶のための活動を展開しています。この団体は、犯罪および民事の時効期間の撤廃を政府に求める運動も展開しており、被害者への心のケアが重点的に行われています。

中村一也の活動は、彼自身の苦しい経験を乗り越え、多くの人々に希望と救済をもたらす意義あるものです。彼の努力は、ただ被害者の声を届けるだけでなく、社会全体に性加害問題の重要性を考えさせる重要な一歩となっています。

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