中村七之助 (2代目)

二代目中村七之助（1983年5月18日生まれ）は、歌舞伎役者、俳優として知られています。屋号は中村屋、定紋は角切銀杏、替紋は丸に舞鶴です。本名は波野隆行で、東京都出身。所属事務所はファーンウッドです。公称身長は174cm。

生い立ちと初舞台

1983年、十八代目中村勘三郎（当時は五代目中村勘九郎）の次男として誕生しました。2歳年上の兄は六代目中村勘九郎、義姉は女優の前田愛です。歌舞伎の名門一家に生まれ、幼い頃から歌舞伎の世界に触れて育ちました。1986年9月に『檻』の祭りの子で初お目見得を果たし、1987年1月には歌舞伎座『門出二人桃太郎』で二代目中村七之助を襲名し初舞台を踏みました。この舞台では、実兄の勘太郎(現:勘九郎)が兄桃太郎を、祖父の十七代目中村勘三郎と七代目中村芝翫がそれぞれ爺と婆を演じ、家族揃っての舞台となりました。

歌舞伎役者としての活躍

幼少期から兄弟の姿がドキュメンタリー番組で取り上げられるなど、注目を集めてきました。ほっそりとした容姿と、やや寂しげな美しい風情が持ち味で、若女方として人気を博しています。歌舞伎の舞台では、その繊細な演技と華やかな存在感で観客を魅了し、数々の名舞台を創り上げてきました。

多岐にわたる活動

歌舞伎だけでなく、テレビドラマ、映画、舞台など、幅広い分野で活躍しています。1999年にはNHK大河ドラマ『元禄繚乱』で親子役で出演し、2003年には米国映画『ラスト サムライ』で明治天皇役を演じました。また、舞台『ETERNAL CHIKAMATSU』では小春役を演じるなど、現代劇にも挑戦しています。

人物像

趣味はゲーム、カラオケ、スニーカー蒐集で、特にカラオケは大好きとのことです。映画『真夜中の弥次さん喜多さん』ではその歌声を披露しています。堀越高等学校では、松本潤、松田龍平と同級生で、現在でも交流があるそうです。また、歌舞伎役者の二代目尾上松也とは親しく、カラオケ仲間でもあります。

2006年のテレビ番組では、叔父の九代目中村福助に関するエピソードや、渡辺えりの現代劇に出演した際に父親から「お前がしっかりしないと俺が怒られるんだ」と言われた話を披露しました。自身の性格については「割と冷静」と分析しており、舞台を降りるとすぐに自分に戻れるタイプだと語っています。また、阪神タイガースファンであることを公言しており、ラジオ番組で実況ゲストを務めたこともあります。

憧れの人物は歌舞伎役者の坂東玉三郎です。

受賞歴

2009年、重要無形文化財（総合認定）に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となりました。また、読売演劇大賞杉村春子賞、松尾芸能賞新人賞、森光子の奨励賞、浅草芸能大賞奨励賞など、数々の賞を受賞しています。

主な出演作品

テレビドラマ: 『武田信玄』、『元禄繚乱』、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、『どうする家康』など多数。
映画: 『ラスト サムライ』、『インストール』、『真夜中の弥次さん喜多さん』など。
劇場アニメ: 『かぐや姫の物語』
舞台: 『ETERNAL CHIKAMATSU』など。
ラジオ: 『中村七之助のラジのすけ』

初舞台に向けたイベント

初舞台の前には、以下のようなイベントが開催されました。

4月23日：中村勘太郎・中村七之助 初舞台記者会見
9月27日：岡山県岡山市吉備津神社にて、舞台成功祈願及び鳴釜神事
9月28日：香川県高松市女木島（鬼ヶ島）訪問
10月21日：『門出二人桃太郎』の扮装でPR用スチール撮影
10月24日：猿若祭として浅草寺仲見世お練り及び懇親会
12月3日：初舞台挨拶廻り（フジテレビ）
12月8日：歌舞伎座劇場前にて、猿若祭初春大歌舞伎の切符前売り初日御挨拶

二代目中村七之助は、歌舞伎の伝統を守りながらも、常に新しい表現に挑戦し続ける歌舞伎役者です。その才能は、歌舞伎の世界にとどまらず、幅広い分野で発揮されており、今後ますますの活躍が期待されています。

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