かぐや姫の物語

『かぐや姫の物語』

概要

『かぐや姫の物語』は日本の名作『竹取物語』を原作にしたスタジオジブリ制作のアニメ映画です。監督は高畑勲が務め、2013年11月23日に公開されました。この作品は、1980年代からの高畑作品としては『ホーホケキョ となりの山田くん』以来14年ぶりとなります。高畑監督はこの作品を遺作とし、2018年にその生涯を閉じました。

本作は、アニメーション制作にかかる時間と予算が非常に大きかったことが特徴です。企画は8年間にわたり、50億円以上の製作費が投じられました。技術的にはアニメーターの手描きの線を活かしたスタイルが採用され、画面は美しい一枚絵のように動きます。

あらすじ

昔、竹を取って暮らす翁と媼がいました。ある日、翁は光り輝く竹の中から小さな姫を見つけ、家に持ち帰ります。姫はすぐに人間の赤子の姿に変わり、翁と媼に「天からの授かりもの」として育てられます。姫は驚くほど早く成長し、半年余りで少女へと変わります。彼女は、自然の中で近くに住む木地師の子どもたちと楽しく遊びながら生活を楽しみます。

翁は姫が高貴な存在になることを願い、都に移り住む決断をする。姫は都で女官の相模から教育を受け、高貴の姫君としての教養を身につけていきます。成人儀礼の際、姫は派手な宮中の宴で侮辱を受け、怒りから故郷の山へと逃げ出しますが、その後、再び屋敷に戻ります。

次の春、姫のもとには5人の公達が求婚しにやって来ます。姫は彼らに宝物を持参するよう要求し、結果として全員を退散させます。その後、姫は自分の本来の姿や気持ちに対して向き合うことになります。

さらなる時間が経ち、再び現れた公達たちからの要求は虚偽であることが露見し、最終的には悲劇的な事件が起きます。姫は月から地球に降ろされた者であり、やがて月に帰る宿命にあることを悟ります。

登場人物

かぐや姫

声 - 朝倉あき / 内田未来（幼少期）
この影片の主人公で、竹から誕生した姫。天真爛漫でありながら、心の葛藤を抱える存在です。

翁

声 - 地井武男・三宅裕司（特別出演）
かぐや姫の養父で、彼女を高貴に育てようとするが、彼女の真実の気持ちを理解することができないキャラクターです。

媼

声 - 宮本信子
かぐや姫の育ての母。姫に深い愛情を持ち、彼女を理解しようとするが、時に翁との間で意見が食い違うことも。

捨丸

声 - 高良健吾
姫の幼少期の友人であり、物語の中で重要な役割を果たします。彼との再会は姫に大きな影響を与えます。

音楽

この映画の音楽は久石譲によって書かれており、彼の風格が作品の感情を一層引き立てています。音楽は観客に深い感動を与える重要な要素となっています。

評価

『かぐや姫の物語』は公開以来、多くの賞を受賞し、高い評価を得ています。特に、第68回毎日映画コンクールアニメーション映画賞での受賞をはじめ、さまざまな国際映画祭でも評価されています。評価が高い理由として、映像美とストーリーの深さ、そしてキャラクターの描写が挙げられます。

最後に

高畑勲監督の遺作として残されたこの作品は、アニメーション作品としての可能性を広げ、観る者に深い感動をもたらします。かぐや姫の物語は、時を超えたテーマと美にあふれ、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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