中村富十郎

中村富十郎（なかむら とみじゅうろう）

中村富十郎は、歌舞伎役者の名跡で、天王寺屋という屋号を持っています。定紋は八本矢車、替紋は杏葉杜若です。この名跡は、歌舞伎界において重要な位置を占め、その歴史は数多くの名優たちによって紡がれてきました。

初代 中村富十郎

初代中村富十郎は、1719年から1786年にかけて活躍しました。初代芳澤あやめの三男として生まれ、後に初代中村新五郎の養子となりました。彼は、当初芳澤崎彌という名前で舞台に立ち、後に初代中村富十郎を襲名しました。

二代目 中村富十郎

二代目中村富十郎は、1786年から1855年まで活躍しました。彼は、三代目中村歌右衛門の門弟として修業を積み、その芸を磨きました。当初は初代市川熊太郎として舞台に立ち、その後、初代中村三光、三代目中村松江と名乗りを変え、最終的に二代目中村富十郎を襲名しました。彼の芸風は、多くの観客を魅了しました。

三代目 中村富十郎

三代目中村富十郎は、1859年から1901年にかけて活躍しました。五代目中村鶴助の門弟として、その芸を学びました。最初は中村梅太郎を名乗り、後に三代目中村富十郎を襲名しました。彼の舞台は、その力強い演技と独特の表現力で観客を魅了しました。

四代目 中村富十郎

四代目中村富十郎は、1908年から1960年にかけて活躍しました。二代目坂東彦十郎の三男として生まれ、当初は渡辺龜藏と名乗りました。その後、坂東龜の子、二代目坂東一鶴、三代目坂東鶴之助と改名し、最終的に四代目中村富十郎を襲名しました。彼の舞台は、その繊細な演技と豊かな表現力で観客を感動させました。

五代目 中村富十郎

五代目中村富十郎は、1929年から2011年まで活躍しました。四代目中村富十郎の長男として生まれ、当初は四代目坂東鶴之助を名乗りました。その後、六代目市村竹之丞を経て、五代目中村富十郎を襲名しました。彼の舞台は、その格調高い演技と深い表現力で観客を魅了し、歌舞伎界に大きな足跡を残しました。


歴代の中村富十郎は、それぞれの時代において歌舞伎の発展に大きく貢献し、その芸は多くの人々に愛されてきました。彼らの舞台は、今日でも多くの人々に感動を与え続けています。

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