中村梅之助

中村梅之助 ― 名跡の歴史

「中村梅之助」は、歌舞伎界において重要な名跡です。成駒屋を屋号とし、左巻三藤巴を定紋、裏梅を替紋として用いています。この名跡は、初代中村梅之助の本名である三井梅之助に由来しています。

各代の中村梅之助

初代 中村梅之助 (1851-1919)
初代は、四代目中村芝翫の門下で活躍しました。その後、二代目中村翫右衛門を襲名し、俳名として初代梅雀も名乗っています。

もう一人の初代とされる人物 (1854-1905)
四代目嵐璃寛の門弟であった人物も、中村梅之助を名乗っています。その後、嵐璃三郎、嵐璃京、五代目嵐珉子と名跡を変えています。

さらに、三代目嵐璃寛の門人であった人物も中村梅之助を名乗っており、中村丑之助を経て、四代目嵐橘三郎を襲名しました(1841-1915)。これらの記録から、初代中村梅之助には複数の系統が存在したことが分かります。

二代目 中村梅之助 (1889-1941)
初代中村梅之助の子として生まれました。その後、尾張屋梅之助、再び二代目中村梅之助を名乗り、初代中村歌門、三代目中村仲助と名跡を変えています。

三代目 中村梅之助 (1901-1982)
二代目の弟にあたります。当初は五代目中村歌右衛門の門下でしたが、後に梨園を離れ、劇団前進座を創設しました。その後、三代目中村翫右衛門を襲名しています。

もう一人の三代目とされる人物 (1907-1989)
中村福助（後の三代目中村梅玉）の門弟であった人物も、中村梅之助を名乗っています。屋号は梅高屋で、中村福呂、中村梅太郎を経て、初代中村梅雀を襲名しています。

四代目 中村梅之助 (1930-2016)
三代目の長男であり、前進座の代表を務めました。

名跡の系譜と変遷

中村梅之助という名跡は、複数の系統と複雑な名跡の変遷を示しています。それぞれの梅之助が、それぞれの場所で活躍し、歌舞伎界に貢献したことが分かります。単なる名跡の継承だけでなく、それぞれの個性が反映された、豊かな歴史を持つ名跡と言えるでしょう。

まとめ

本稿では、歌舞伎役者名跡「中村梅之助」の系譜を初代から四代目までたどり、それぞれの経歴や活躍を詳細に解説しました。複数の系統が存在するなど、複雑な歴史を持つ名跡であることが明らかとなりました。これらの情報を通じて、歌舞伎の歴史と伝統の一端に触れ、名跡の重みと奥深さを改めて感じ取ることができたのではないでしょうか。

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