中村祐造

中村祐造について

中村祐造（なかむら ゆうぞう）は、1942年4月24日に兵庫県姫路市で生まれ、2010年7月20日に68歳で亡くなりました。彼は日本の男子バレーボール界で重要な役割を果たした選手であり、指導者でもありました。戦後のバレーボール界の発展に貢献した彼の業績は非常に大きく、その情熱や技術は多くのファンに愛されました。

選手時代

彼は兵庫県立姫路工業大学附属高等学校（現在の兵庫県立姫路工業高等学校）でバレーボールを始め、その後八幡製鐵に入社しました。ここで彼は本格的にバレーボール選手としてのキャリアをスタートさせ、特にその渾身のドライブサーブと情熱的なプレースタイルで知られるようになりました。

中村は1964年の東京オリンピック、1972年のミュンヘンオリンピックにおいて日本代表としてプレーしました。特に1972年のミュンヘン大会では、主将としてチームをリードし、準決勝のブルガリア戦では、それまでセットカウント0-2と劣勢に立たされていた日本を逆転勝利に導く重要な役割を果たしました。この勝利は、日本が金メダルを獲得する際の大きな一歩となったのです。

監督としての活躍

ミュンヘン大会後、中村は選手としてのキャリアを終え、新日本製鐵堺で選手兼任監督としての活動を開始しました。彼は優れた指導力を発揮し、新日鉄を日本リーグの頂点に導きました。その功績は1973年に朝日体育賞や文部大臣賞を受賞することで認められました。さらに、1977年から1979年までの3年間、日本男子バレーボール代表監督としても活躍し、1977年のワールドカップでは準優勝という結果を残しました。

健康と指導活動

バレーボールの現場から遠ざかって以降、中村はネフローゼ症候群に悩まされ、1996年にはアメリカで腎臓移植手術を受けました。このように健康上の困難を抱えながらも、彼はバレーボールの普及や指導活動に尽力し続けました。彼の熱意は、障害を乗り越えて多くの若者に影響を与えました。

彼の著作

中村はまた、作家としても活動し、いくつかの著書を残しました。主な著作には『勝利への道しるべ』や『澪標』、『勝つための人づくり、組織づくり』、さらには『若い力は優雅に鍛えよ！』や『勝つためのリーダー学』などがあります。これらの著書では、彼の経験やリーダーシップの哲学が語られており、多くの人々にとって貴重な教えとなっています。

結び

2010年7月20日、中村祐造は脳内出血によりこの世を去りました。彼の68年間の生涯は、日本のバレーボール界に深い足跡を残し、彼が築いた道は今も多くの選手やコーチに引き継がれています。中村の情熱とリーダーシップは、今後も日本のスポーツ界において生き続けるでしょう。

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