中村純

中村純（なかむら じゅん）は、1970年に東京都で生まれた日本の詩人、作家、編集者です。

慶應義塾大学文学部を卒業後、出版社に編集者として入社し、出版業界でのキャリアをスタートさせました。その後、教育分野にも関心を持ち、教員としての経験も積んでいます。

2000年から2006年にかけては、出版社での勤務と並行して、早稲田大学のジェンダー研究所にて客員研究員として研究活動を行いました。

詩人としての活動が本格化したのは2005年です。この年、土曜美術社出版販売が主催する第14回詩と思想新人賞を受賞しました。さらに、同年には初の詩集となる『草の家』を刊行し、この作品によって第37回横浜詩人会賞に選ばれるという、文学界での確固たる地位を築く契機となりました。

2012年からは生活の拠点を京都市に移し、現在に至ります。

詩や文学関連の主な所属団体としては、日本現代詩人会、日本詩人クラブ、横浜詩人会、「いのちの籠」といった団体に会員として名を連ねています。また、多様なキャリアに関わる視点を持つキャリアコンサルタントの資格も取得しています。

これまでに発表した詩集には、デビュー作『草の家』（2005年）をはじめ、『海の家族』（2008年）、『はだかんぼ』（2013年）、そして『女たちへ―Dear Women』（2017年）などがあります。

詩作にとどまらず、作家としても活動しており、エッセイ集『いのちの源流 愛し続ける者たちへ』（2013年）を刊行しています。また、編著書として『憲法と京都』（2016年）を出版したほか、東日本大震災、戦争、環境問題など、社会的なテーマを扱った多くの共著・編著にも参加しています。主なものとして、『戦争×文学 9･11 変容する戦争』（2011年）、『命が危ない 311人詩集 いま共にふみだすために』（2012年）、『水・空気・食物 ３００人詩集 ― 子どもたちへ残せるもの』（2014年）、国際同人誌『モンスーン』（2015年以降継続中）、『311を心に刻んで 2018』（2018年）などが挙げられます。

評論活動も行っており、『続・高良留美子詩集』（2016年）では解説を担当しています。

文筆活動以外にも、様々な媒体での構成作家や出演、講演活動を展開しています。狂言師・茂山逸平氏に関する書籍『茂山逸平 風姿和伝』（2019年、春陽堂書店）では、監修の茂山氏、写真の上杉氏と共に、構成・取材執筆・編集を担当しました。ラジオ出演としては、京都コミュニティラジオの番組『おはようさんどす』に2013年から2017年までレギュラーゲストとして出演し、詩やインタビューを紹介するコーナーを担当しました。また、KBS京都の番組『ラジオでつなぐ』でも、アナウンサーと共に詩のコーナーを担当したことがあります（2014年）。

特に2011年の東日本大震災発生以降は、詩、震災と原発事故、平和、キャリアといったテーマを中心に、全国各地で活発な講演活動を行っています。

編集者としてのキャリアも長く、文化出版局や三省堂といった大手出版社での勤務経験があります。京都への移住を機に独立し、現在はフリーランスとして活動しています。担当する分野は幅広く、書籍全般、国語や教育関連の出版物、Webコンテンツ、キャリアに関する取材記事、出版業界関連の記事など多岐にわたります。また、詩の専門誌である『詩と思想』（土曜美術社出版販売）の編集委員も務め、詩壇の動向にも深く関わっています。

このように、中村純氏は詩作、執筆、編集、講演、メディア出演など、多岐にわたる活動を通じて、文学と社会に対して様々な形で貢献し続けています。

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