中村雅真

中村 雅真

概要

中村雅真（なかむらがしん、1854年3月 - 1943年2月21日）は、日本の明治から昭和にかけて活動した政治家であり、特に奈良県において重要な役割を果たしました。彼は貴族院の多額納税者議員であり、奈良町の町長としても知られています。

幼少期と経歴

中村雅真は、当時の大和国添上郡奈良西御門町に、父親・中村尭円の二男として生まれました。1886年（明治19年）には家督を相続し、多くの地域での公的な職務を引き受けました。特に興福寺に仕え、維新後は信徒総代として寄進や会計の監督を行いました。

彼のキャリアは地方自治から始まり、1873年（明治6年）以降、鳴川町小学校の訓導を経て、様々な役職に就任しました。大和国一大区一小区の副戸長や奈良役所部内第一連合戸長などを経験し、地域の発展に寄与しました。

政治活動

政治の舞台では、1884年（明治17年）に大阪府会議員に当選し、1887年（明治20年）には奈良県が新たに独立する際の初代奈良県会議員にも選ばれました。1889年（明治22年）には奈良町の町長に就任し、地域社会の発展に力を尽くしました。また、奈良帝室博物館の学芸委員としても活動し、文化の振興にも寄与しました。

さらに、1890年（明治23年）には奈良県の多額納税者として貴族院議員に選ばれ、1897年（明治30年）までその職にありました。この期間中、彼は政治的な影響力をもち、地域の声を国政に届けるために尽力しました。

隠退と晩年

1926年（大正15年）に政界を引退後は、奈良市登大路町に本宅を構えましたが、最終的には奈良市山ノ上町の別邸でその生涯を終えました。興福寺の復興事業に尽力したことが評価され、彼の告別式は興福寺の本坊で寺葬として行われました。

親族

中村雅真の弟には実業家として知られる嘉納治兵衛（7代）がいます。弟は一族の中でも著名な実業家として、多くの成功を収めました。

参考文献

• - 人事興信所 編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
• - 衆議院、参議院 編『議会制度七十年史 第1』大蔵省印刷局、1960年。
• - 乾健治『郷土歴史人物事典 奈良』第一法規出版、1991年。

彼の業績は、地域社会と日本の政治史における重要な一頁であり、今なお関心を持たれています。

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