中江滋樹

中江滋樹（なかえ しげき）

概要

中江滋樹は1954年1月31日、滋賀県近江八幡市に生まれた日本の元証券ジャーナリストであり、相場師です。彼は投資ジャーナルの会長を務め、一時は数十億円を動かした華々しい経歴を持つ一方で、1985年には詐欺容疑で逮捕され、その後の人生は波乱万丈でした。2020年2月20日に亡くなった際には、彼の生涯を象徴するような事件が周囲を賑わせました。

幼少期と教育

中江の株式投資に対する関心は早くから芽生えました。父が証券会社に務めていたことから、彼は小学生の頃から株を始め、中学では早くも株価のチャートを作成していました。滋賀県立彦根東高等学校在学中には名古屋の投資顧問会社に参加し、株の売買を学び、10代にしてすでに大型の利益を上げていたとされます。高校時代は成績も優秀であり、数学の全国模試でも良い成績を収めていました。

投資家への道

高校卒業後、中江は神戸大学の経営学部に進学するも、株式投資の魅力を感じ、進学を断念。彼は名古屋市の証券会社でアルバイトを始め、その後、株式投資の分野で独立した事業を設立するに至ります。特に1972年からの大相場に乗り、20代前半で自らレポートを発行する会社を設立するほどの成功を収めました。この頃「N銘柄」と呼ばれる彼の株式は多くの注目を集め、投資家たちからも熱心に支持されました。

東京に進出した後、彼の活動は全国的に広がり、関連会社も急増。中江は「兜町の風雲児」としてメディアに取り上げられることが多かったのですが、同時に彼の金銭感覚は常軌を逸していたとされ、巨額の金を動かしながらも破綻への道を歩むことになります。

投資ジャーナル事件

彼は約584億円を集め、「株を買う資金を担保の10倍まで融資する」を謳い、多くの投資家を引き込みました。しかしやがて資金不足に陥り、1985年に詐欺容疑で逮捕される事態に発展しました。この事件は当時の社会問題とも深く関わり、危険な商法の摘発を促すきっかけとなりました。逮捕後、中江は懲役6年の実刑判決を受けます。

出所後の生活

1992年に仮釈放となった彼は、その後しばらく姿を消していました。しかし、時折報道に取り上げられ、近隣住民とのトラブルや精神的な問題が報じられることもありました。2012年には「今、おカネはほとんどありません」と発言し、過去の栄光が失われていることがうかがえました。

最後の晩年

2020年、体調不良から入院することとなり、その後自宅アパートが火事になり、遺体が発見されました。66歳での突然の死は多くの人に衝撃を与え、彼の波乱に満ちた人生を象徴するものでした。

彼の影響

中江滋樹は若き日々の成功とは裏腹に、多くの失敗やトラブルに見舞われた複雑な人生を歩みました。その人生は、投資の世界の厳しさや夢の裏側を物語っており、上昇と転落の歴史は多くの人々に教訓を与えています。彼を題材にした作品や特集が今も行われており、影響力が持続しています。

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