中津からあげ

中津からあげ

中津からあげは、大分県中津市で広く親しまれているご当地からあげです。市内には数多くのからあげ専門店が点在しており、その多様性と質の高さから「からあげの聖地」として知られています。

概要

中津市内のからあげ店は、その味と製法に各店の工夫が凝らされています。2010年8月には、市内23店舗が結束し「聖地中津からあげの会」を設立。中津からあげのブランド化と地域PRに力を入れています。

味付けの基本は、醤油にショウガやニンニクなどの薬味を加えたタレ。このタレに鶏肉を漬け込むことで、各店独自の風味が生まれます。販売形態は様々で、専門店をはじめ、持ち帰り専門の惣菜店、精肉店、スーパーマーケット、飲食店などで購入できます。

専門店では、揚げる前の肉の重さで量り売りするのが一般的です。持ち帰りの際は、100g単位で希望の量をオーダーし、注文を受けてから揚げるため、通常10分程度の待ち時間が必要です。事前に電話予約をしておくと、スムーズに受け取ることができます。飲食店では、一人前単位で注文し、皿に盛られた状態で提供されます。

歴史

中津市で初めてからあげ専門店が登場したのは1970年。森山からあげ店（現在の中津からあげ総本家 もり山）と、養鶏場から転業した細川（現在のスーパー細川）がその草分けとされています。当時、中津市にはからあげ専門店は存在せず、大分県北部でも宇佐市四日市の「からあげ庄助」が唯一の専門店でした。そのため、宇佐市がからあげ専門店の発祥の地とされ、そこから中津市へと広がっていきました。

中津市にからあげ専門店が多い理由としては、戦後の食糧難対策として政府が養鶏を推進し、鶏肉が容易に入手できたこと、旧満州からの引き揚げ者が中国の鶏料理を再現したこと、惣菜店が揚げたてのからあげを提供し人気を博したことなどが挙げられます。

「中津からあげ」という名称は、森山からあげ店が2003年頃に中津市大貞店を出店した際に初めて用いられたとされています。

種類

使用する鶏肉の部位も様々で、もも肉、胸肉、ミックス、手羽先、手羽元、砂ずりなどがあります。骨付きと骨なしを選べる店が多く、部位や骨の有無によって価格が異なります。味付けも醤油ベースの他、塩味やピリ辛味など、各店独自のバリエーションがあります。

中津からあげは、その多様な味わいと手軽さから、地元の人々に愛され続けるソウルフードです。

外部リンク

聖地中津からあげの会
からあげマップ 中津市

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