中津市学校

中津市学校について

中津市学校（なかつしがっこう）は、明治時代に小倉県（後に福岡県、大分県）中津（現在の大分県中津市）に存在した洋学校です。この学校は、福沢諭吉の提唱と旧中津藩藩主の奥平昌邁の支援によって設立されました。

設立の背景

福沢諭吉は、奥平昌邁に対して洋学の必要性を説き、その思想に共鳴した昌邁は、自身の家禄の5分の1にあたる年間1000石を学校設立のために提供しました。学校は、1871年（明治4年）11月に、大手屋敷と呼ばれた中津藩家老生田家の邸宅に開校しました。この学校の設立に際して、福沢諭吉が学問の重要性を説いた小冊子が、後に有名な『学問のすゝめ』の元になったと言われています。また、福沢諭吉は人的支援も惜しまず、開校時には慶應義塾から小幡篤次郎が校長として、松山棟庵が教師として派遣されました。

最盛期と衰退

1873年（明治6年）から1876年（明治9年）にかけて、中津市学校は最盛期を迎え、生徒数は600名を超える西日本有数の洋学校となりました。しかし、その後の西南戦争や、学制の整備に伴う公立学校の充実が進むにつれて、学校は徐々に衰退していきました。そして、1883年（明治16年）に閉校という形でその歴史に幕を閉じました。

遺構

中津市学校の校門は、かつて生田家の門として使用されていました。学校閉校後、その校門は中津市立南部小学校の校門として利用されました。1972年（昭和47年）には移築されましたが、老朽化のため1988年（昭和63年）に解体されました。その後、2000年（平成12年）から場所を移して復元工事が行われ、2001年（平成13年）3月に完成し、現在でもその姿を見ることができます。これは、中津市学校の歴史を今に伝える貴重な遺構です。

歴代校長

初代: 小幡篤次郎
第2代: 浜野定四郎

関連施設

新中津市学校: 登録有形文化財である「旧小幡記念図書館」の建物を利用した学習交流施設です。この施設は、中津市学校の歴史と精神を現代に伝える場として活用されています。

脚注

西澤直子「中津市学校に関する考察」、近代日本研究 Vol.16, (1999. ) , p.65- 140 , KOARA AN10005325-19990000-0065

中津市学校は、明治初期の洋学教育において重要な役割を果たした学校であり、その歴史は、近代日本の教育史を語る上で欠かせないものとなっています。

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