中筋村 (愛媛県)

中筋村について

中筋村（なかすじむら）は、かつて愛媛県東宇和郡に存在していた村で、1955年までその姿を保っていました。現在の西予市の中部、宇和川の支流である富野川流域に位置し、農山村として村の風景が形成されていました。昭和の大合併により野村町に編入され、さらに平成の合併を経て西予市となる過程がありました。

地理的特徴

現在の西予市の中部に位置し、宇和川（肱川の上流の別名）の支流、富野川の流域に広がる中筋村。地形は河岸段丘で構成され、集落は比較的散在しています。自然に恵まれた環境で、山々に囲まれた景色の中に平地が開かれ、特色ある農村を形成しています。

地名の由来

中筋村の名称は、藩政時代に「中筋組」と呼ばれていたことに由来しています。村の名前には地域の歴史が反映されているのです。

歴史

藩政期

中筋村は宇和島藩領として統治されていました。1825年には高瀬村騒動が発生し、年貢を納められない農家が脱藩し、両藩の調停の下で大洲藩に引き渡される事件が起きました。この騒動により庄屋は追放され、主要な当事者には厳しい処分が下されました。こうした歴史の中でも、地域の人々は強い結束を保ち続けました。

明治以降

1889年、町村制・市制の施行に伴い、高瀬、富野川、平野、蔵良の四つの村が統合されて中筋村となりました。1929年には中筋郵便取扱所が設立され、地域の利便性が向上したことも特徴です。1950年からは国鉄バスによる移動手段も整備され、交通の便も改善されていきました。1955年には野村町を中心とする合併が行われ、中筋村はその歴史の幕を下ろしました。

地域の発展

中筋村の設立当初、村の人口は2,289人に達し、後の野村町となった際には577戸が存在し、合併時の人口は3,330人となりました。旧中筋村は今も地域社会の基盤として人々の生活に根付いています。

行政

役場は大字高瀬に設置されており、行政の中心として機能していました。地域における統治の役割を担いました。

産業

中筋村では主に農業が主要な産業であり、米、茶、しいたけ、栗、木蝋などが生産されていました。また、林業も地域の経済を支える重要な要素でした。工業分野では高瀬に位置する菊池製造工場が和紙製造を行っており、地元の特産品を生産していました。

交通

中筋村内には鉄道がなく、交通は主に道路によって南北に通じる道が村内を貫通しています。この路線は富野川に沿っており、近隣の街とを繋ぐ重要な交通路となっていました。

まとめ

中筋村は様々な歴史的背景と自然環境に恵まれた地域で、愛媛県の農村文化を形成してきました。その遺産は今も西予市という形で受け継がれています。

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