中脘穴

中脘（ちゅうかん）について

中脘は、任脈に所属する第12番目の経穴であり、足の陽明胃経の募穴、腑会としても知られています。武道・武術の世界では上脘穴とも呼ばれています。

位置

中脘は、おへそ（神闕穴）から上方へ4寸（約12cm）の位置にあります。これは、胸骨体の下端とへそを結んだ正中線上に位置します。

筋肉・神経・血管

この部位には、知覚神経として肋間神経前皮枝が、動脈として肋間動脈や上腹壁動脈が通っています。これらの組織との関係も、中脘の効果に影響を与えていると考えられます。

名前の由来

「中」は胃の中央を、「脘」は胃腑、すなわち体内の空洞（特に胃）を意味しています。このことから、胃の中心的な位置にある経穴として「中脘」と名付けられました。

効能

中脘は、様々な症状に効果があるとされています。

胃疾患: 一切の胃疾患、胃脘痛
消化器系の不調: 腹脹、嘔吐、しゃっくり、呑酸、食欲不振、消化不良、小児の消化不良、膨張、黄疸、腸鳴、泄痢、便秘、血便
呼吸器系の症状: 哮喘
精神神経系の症状: 頭痛、不眠、驚きやすく動悸がある、下腹部から心窩部へ気が突き上げる、ヒステリーの一種（腹腔に何かが激しく動くように感じる）、うつ病による精神錯乱、てんかん、仮死状態、小児のひきつけ
* その他: 脇下堅痛、虚労吐血

中脘は、特に胃腸の不調に対して幅広く用いられてきました。消化機能の改善や胃痛の緩和だけでなく、精神的な安定にも効果が期待できるとされています。

使用上の注意

中脘は、比較的安全な経穴として知られていますが、妊娠中の方や重篤な疾患をお持ちの方は、専門家にご相談の上、施術を受けてください。

まとめ

中脘は、胃の疾患をはじめ、様々な症状に効果のある重要な経穴です。その位置、由来、そして多岐にわたる効能を理解することで、より効果的な活用が期待できます。日々の健康管理に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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