中華人民共和国とエチオピアの関係

中華人民共和国とエチオピアの関係

中華人民共和国とエチオピアの関係は、1970年の国交樹立以来、両国間の経済協力と政治的連携を軸に発展してきました。エチオピアは北京に大使館を、中国はアディスアベバに大使館を設置し、外交関係を維持しています。

歴史

中国とエチオピア間の直接的な接触の歴史は古代にまで遡ります。古代中国の文献には、アフリカの角からの使節や交易に関する記述が見られ、象牙、サイの角、香料などの品物が取引されていました。しかし、両国が本格的な外交関係を築くのは20世紀に入ってからです。

20世紀初頭、イタリアによるエチオピア侵攻時、中国はこれを認めなかった数少ない国の一つでした。冷戦時代、エチオピアが西側諸国と親密な関係を保っていた時期には両国関係は冷え込みましたが、1970年に国交が樹立されました。その後、エチオピアの政変やソ連との関係深化により一時的に緊張が高まる時期もありましたが、1991年以降は関係が大きく改善しました。

公的な関係と条約

両国間では、要人による相互訪問が頻繁に行われています。中国の周恩来首相や江沢民国家主席、エチオピアのハイレ・セラシエ皇帝などが訪問し、二国間関係の強化を図ってきました。

また、経済技術協力、貿易、投資促進、二重課税回避など、多岐にわたる分野での協定が締結されています。これらの協定は、両国間の貿易と投資の促進に重要な役割を果たしています。

経済関係

両国間の経済関係は非常に活発で、特に中国からエチオピアへの投資は著しく増加しています。中国は、エチオピアのインフラ整備に多額の融資を提供しており、その多くは中国企業が実施するプロジェクトに関連しています。エチオピアは中国からの安価な消費財の重要な輸入先であり、貿易額は輸出を大きく上回っています。中国はエチオピアを重要なビジネスパートナーとして捉え、経済成長を支援しています。

中国の投資は、エチオピアの電力、交通、雇用機会の拡大に貢献しています。中国の「ビジネスはビジネス」というアプローチは、エチオピアの法的・政治的構造の変化に結びつくことが多い西側の支援者と比較して、受け入れられています。

直接援助

中国はエチオピアに対して、医療チームや教師の派遣、学生への奨学金などの直接援助も提供しています。また、専門学校の建設資金を提供するなど、教育分野での協力も行われています。

インフラ融資

中国からの融資は、エチオピアのインフラ整備に大きく貢献しています。アディスアベバ環状道路をはじめとする多くのプロジェクトが、中国企業の協力のもとで建設されました。テケゼ水力発電プロジェクトやギベ4ダムなどの大型プロジェクトにも、中国の資金と技術が投入されています。

投資と貿易

エチオピアへの中国からの直接投資は、近年急速に増加しています。輸出入額では、中国からの輸入が圧倒的に多く、その多くは安価な衣料品や機械、電気製品です。エチオピア政府は、中国からの輸入を奨励し、地元の建設・製造会社への支援を行っています。

アボレ事件

2007年、エチオピア東部で、中国石油化工の油田で働く中国人労働者が襲撃される事件が発生しました。この事件は、中国とエチオピアの関係に影響を与えましたが、両国は協力して対応しました。

関連項目

中華人民共和国の国際関係
アディスアベバ・ジブチ鉄道
* アディスアベバ・ライトレール

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