中華人民共和国公司法

中華人民共和国公司法

中華人民共和国公司法は、中国における有限責任会社および株式会社に関して、設立、組織機構、持ち分、株式譲渡などの事項を定めた法律です。中国語原文では「中华人民共和国公司法」と表記されます。

構成

公司法は、以下の章で構成されています。

第1章：総則
第2章：有限責任会社の設立及び組織機構
第1節：設立
第2節：組織機構
第3節：一人有限責任会社に関する特別規定
第4節：国有独資会社に関する特別規定
第3章：有限責任会社の持分譲渡
第4章：株式有限会社の設立及び組織機構
第1節：設立
第2節：株主総会
第3節：董事会、総経理
第4節：監事会
第5節：上場会社組織機構に関する特別規定
第5章：株式有限会社の株式の発行及び譲渡
第1節：株式の発行
第2節：株式の譲渡
第6章：会社の董事、監事及び高級管理職の資格及び義務
第7章：社債
第8章：会社の財務、会計
第9章：会社の合併、分割、増資、減資
第10章：会社の解散及び清算
第11章：外国会社の支社機構
第12章：法律責任
第13章：附則

沿革

1980年代後半から、国有企業改革の一環として株式会社化が進められていました。1993年12月29日に旧公司法が採択され、株式公司に法的根拠が与えられました。しかし、旧公司法は市場経済への移行期に起草されたため、多くの欠点がありました。そこで、市場経済に適合する本格的な法律を目指し、2005年10月27日に新公司法が採択されました。新公司法は、旧公司法を大幅に改正するものでした。

新公司法による主な改正点は以下の通りです。

会社設立の要件緩和（最低資本金の引き下げ）
一人有限責任会社に関する特別規定の設置
定款自治の拡大
董事会、監事会の権限強化
少数株主の利益保護強化
法人格否認の法理の導入

2013年改正

2013年にも改正が行われ、同年12月28日に可決、公布され、2014年3月1日に施行されました。この改正の主な目的は、会社設立の敷居を下げ、投資者の負担を軽減し、会社参入の利便を図ることにありました。

改正の主な内容は以下の通りです。

登録資本の払込登記制度から引受登記制度への移行
登録資本の登記条件の緩和
登記事項及び登記書類の簡素化

これらの改正は、国際的に通用している企業管理方式に合わせたものであり、中国国内で現地法人を設立する日本国の投資者にとって、負担軽減につながるものと考えられます。

本法の目的と指導原理

本法は、会社の組織及び行為を規範化し、会社や株主、債権者の合法的な権益を保護し、社会経済秩序を擁護し、社会主義市場経済の発展を促進することを目的としています（第1条）。

また、中国共産党の組織を会社内に設立し、党の活動を保障する規定（第19条）や、従業員の意見を経営に反映させる制度（監事会の構成に関する規定など）も設けられています。

設立

株式会社または有限会社の設立に関しては、準則主義がとられています。設立要件を充足する手続きが履行されたとき、会社の設立が認められ、国は法人格を付与します。

設立要件

株式会社または有限会社の設立要件は以下の通りです。

発起人あるいは社員の法定員数との合致
定款作成
会社要件を満たす機関の設定
住所設定
株式会社の場合、設立準備事項の遵守

設立登記

設立登記は、会社登記管理条例に基づいて行います。登記手続きは、工商行政管理局に登記申請書、定款等の書類を提出します。中国の登記機関は、日本の登記機関とは異なり、実質的審査権を有します。

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