中華人民共和国国家発展改革委員会

中華人民共和国国家発展改革委員会（NDRC）

中華人民共和国国家発展改革委員会（National Development and Reform Commission, NDRC）は、中国国務院に属する重要な行政部門です。その役割は、経済と社会に関する政策の研究、そして経済のマクロ調整を行うことにあります。この委員会は、中国の経済政策の中枢を担い、国の発展戦略を策定・実行する上で不可欠な存在です。

歴史的変遷

NDRCの前身は、1952年に設立された国家計画委員会に遡ります。当初は中央人民政府国家計画委員会として、政務院（後の国務院）と並立する機関でしたが、1954年の憲法制定に伴う国家機構の再編により、国務院の組成部門へと改組され、中華人民共和国国家計画委員会と名称を改めました。

その後、1998年3月に朱鎔基内閣が発足した際に国家発展計画委員会へと改組されました。さらに、2003年3月には温家宝内閣の発足に伴い、現在の国家発展改革委員会へと名称と組織が変更されました。これらの変遷は、中国の経済発展段階における政策ニーズの変化を反映しています。

組織と機能

国家発展改革委員会は、その職務の重要性から「小国務院」とも呼ばれることがあります。歴代の主任は、国務院副総理や国務委員といった要職を兼任することが多く、近年の傾向としては、主任経験者が経済担当の副総理や国務委員へと昇進する事例も見られます。これは、NDRCが中国経済の中枢で果たす役割の大きさを物語っています。

傘下には、9つの研究所を有するマクロ研究院（宏観研究院）が設置されています。特に、エネルギー研究所（能源研究所）は、中国のグローバルエネルギー戦略研究において重要な役割を果たしており、エネルギー政策に関する専門的な知見を提供しています。

歴代主任

国家計画委員会時代から現在に至るまで、多くの著名な政治家がこの委員会の主任を務めてきました。以下に、主な歴代主任を列挙します。

国家計画委員会

中央人民政府国家計画委員会主席
高崗（1952年11月 - 1954年8月）
中華人民共和国国家計画委員会主任
李富春（1954年9月 - 1975年1月）
余秋里（1975年1月 - 1980年3月）
姚依林（1980年8月 - 1983年6月）
宋平（1983年6月 - 1987年6月）
姚依林（1987年6月 - 1989年12月）
鄒家華（1989年12月 - 1993年3月）
陳錦華（1993年3月 - 1998年3月）

国家発展計画委員会

曾培炎（1998年3月 - 2003年3月）

国家発展改革委員会

馬凱（2003年3月17日 - 2008年3月17日）
張平（2008年3月17日 - 2013年3月16日）
徐紹史（2013年3月16日 - 2017年2月24日）
何立峰（2017年2月24日 - 2023年3月）
鄭柵潔（2023年3月 - 現任）

結論

中華人民共和国国家発展改革委員会は、中国の経済発展において中心的な役割を担う機関であり、その政策決定は国内外に大きな影響を与えます。その歴史、組織、そして歴代の主任を通じて、中国経済の変遷と将来戦略を理解する上で重要な手がかりとなるでしょう。

外部リンク

中華人民共和国国家発展改革委員会公式サイト
国家発展改革委員会宏観研究院

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