李富春

李富春（リー・フーチュン）：中国初期の経済建設を担った革命家

李富春（1900年5月22日 - 1975年1月9日）は、中華人民共和国の政治家であり、初期の経済建設において重要な役割を果たしました。中央書記処書記、中央政治局常務委員会委員、国務院副総理、国家計画委員会主任などを歴任し、中国共産党の幹部として活躍しました。妻は蔡暢であり、彼女もまた中華全国婦女連合会主席を務めた著名な政治家です。

フランス留学と共産党入党

李富春は湖南省長沙に生まれ、若い頃から毛沢東らとともに留仏勤工倹学運動に参加し、フランスに留学しました。工場労働者として働きながら、社会主義思想に触れ、1922年に中国共産党に入党。在欧中国青年共産党の設立にも尽力し、ヨーロッパにおける共産主義運動の先頭に立ちました。

北伐から国共内戦へ

帰国後は、国民革命軍に参加し北伐に従軍。しかし、国共分裂後は中国共産党の地下活動に従事し、各地で党の要職を歴任しました。第一次国共内戦期には、江西省の中央革命根拠地で活動し、紅軍の幹部として反包囲討伐戦争を戦い抜きました。長征にも参加し、遵義会議にも出席するなど、中国共産党の苦難の時代を支えました。

日中戦争と第二次国共内戦

日中戦争期には、中国共産党中央で財政経済を担当し、陝甘寧辺区の経済建設を指導しました。大生産運動を組織・推進し、戦時下の経済を支えました。日本降伏後の第二次国共内戦では、東北地方における革命根拠地の建設に貢献し、中国共産党の勝利に大きく貢献しました。

中華人民共和国成立後

中華人民共和国成立後は、国務院副総理兼国家計画委員会主任として、経済政策の立案・実行を主導しました。第一次五カ年計画を推進し、中国の工業化と社会主義化を目指しました。

文化大革命と失脚

しかし、大躍進政策の失敗後、李富春は経済調整を提案しましたが、これが文化大革命中に批判の対象となり、失脚しました。「二月逆流」と名指しされ、迫害を受けました。1975年に北京で亡くなりました。

評価

李富春は、中国共産党の初期の幹部として、革命と経済建設に貢献しました。特に、建国初期の経済政策を主導し、中国の工業化の基礎を築きました。しかし、文化大革命で失脚し、不遇な晩年を送りました。彼の功績と過ちは、中国現代史における重要な教訓となっています。

著書

『李富春选集』中国计划出版社、1992年。ISBN 9787800582196

参考文献

中国研究所（編） 『新中国年鑑1964』 極東書店、1964年。

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