中華全国総工会

中華全国総工会について

中華全国総工会（中華人民共和国における英語名：All-China Federation of Trade Unions、略称：ACFTU）は、中国における唯一の公式な全国規模の労働組合連合です。国際労働組合総連合には加盟していないものの、「中華人民共和国工会法」や「中国工会章程」に基づき、国内の各地方組合および産業組合を指導する役割を担っています。31省における労働組合連合と多くの産業ごとの労働組合を含むその体系は、国家の経済活動において重要な位置を占めています。また、総工会は中国共産党の指導を受ける「人民団体」の一つとして、政治的にも大きな影響力を持っています。

歴史的背景

中華全国総工会の起源は1921年にまで遡ります。最初は中国共産党の一部として設立された中国労働組合書記部であり、上海に本部を置いていました。その後、1922年に広州で開催された第1回全国労働大会では、鄧中夏が書記に選出され、労働運動を拡大する基礎を築きました。1925年の第2回大会では、組織名を変更し中華全国総工会が正式に設立されました。

歴史の中で、時代の変遷に応じて本部の場所も移動し、1927年には国民党によって本部が閉鎖される事態となりましたが、抗日戦争や国共内戦を経て1948年に再開されることになります。この再開は、国民党治下の地域との連携を強化するための重要な一歩でした。1978年には中国工会の方針を改訂し、全国総工会を各地域や産業の最高指導機関に位置づけることが明確化されました。

著名な刊行物

中華全国総工会は、その活動に関する情報を広く発信するため、複数の刊行物を出しています。代表的なものには、「工会工作通信」（組合活動通信）、そして「中国労運」（中国労働運動）や「労運研究」（労働運動研究）などが含まれます。また、毎年発行される「中国工会年鑑」は、労働運動と工会活動の重要な資料としても利用されています。

組織と指導者

その組織の運営には歴代の指導者が重要な役割を果たしています。初代の総主任は鄧中夏が務め、1948年には劉少奇が名誉主席に就任しました。その後も多くの指導者が組織の発展に寄与してきました。最近の主席には王兆国や李建国などが名を連ねており、今もなお労働者の権利を守るための活動を行っています。

中華全国総工会は、その歴史と活動を通じて中国の労働者の代表としての役割を果たしており、政治や社会における労働運動の重要な拠点として存在し続けています。

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