中華民国とリトアニアの関係

中華民国（台湾）とリトアニアの関係

中華民国（台湾）とリトアニアの関係は、近年、国際社会において注目を集めています。リトアニアは中国と国交を結んでいますが、近年では、中国の人権問題に対する懸念から台湾との関係を強化しています。ここでは、両国の関係の現状と歴史的背景について詳しく解説します。

歴史

1921年、中華民国とリトアニアは国交を樹立しましたが、1940年のバルト諸国占領により中断されました。その後、1991年にリトアニアがソビエト連邦から独立した翌年に、中華人民共和国と国交を樹立したため、現在に至るまで、両国間には正式な外交関係はありません。

2020年以降の関係深化

2020年以降、リトアニアと台湾の関係は急速に深化しています。リトアニアの新政権が人権擁護の立場を明確にしたことや、新型コロナウイルス感染症対策での協力などが、その背景にあります。

2020年10月: リトアニアの連立政権が、人権と民主的自由の擁護を表明し、台湾支持の姿勢を示しました。
2021年3月: リトアニアが台湾に貿易事務所を開設すると発表し、中国の反発を招きました。
2021年6月: リトアニア政府が、新型コロナウイルス感染症対策として台湾にワクチンを提供し、蔡英文総統から感謝が表明されました。
2021年7月: 台湾がリトアニアに「駐リトアニア台湾代表処」を設置することを発表しました。これは事実上の大使館として機能し、ヨーロッパにおける台湾のプレゼンスを高めるものとして注目されました。

中国はこれに対し、駐リトアニア中国大使を召還するなど、強い反発を示しました。また、リトアニア製品の締め出しなどの経済的圧力もかけています。しかし、リトアニアは台湾との関係を維持し、連携を強化する姿勢を崩していません。

台湾の国際組織参加支持

リトアニアは、台湾の国際組織への参加を支持しています。2019年には、多くの国会議員がWHOへの台湾のオブザーバー参加を求める書簡を提出しました。リトアニアのこのような姿勢は、台湾にとって大きな支えとなっています。

経済・文化交流

両国間の経済・文化交流も活発化しています。台北市とビリニュスは姉妹都市提携を結んでおり、様々な分野で交流が行われています。また、リトアニアに対する台湾からの投資も増加傾向にあり、経済的な結びつきも強まっています。

犯罪

2017年には、リトアニア人が関与する通信詐欺事件が報告されています。この事件では、クアンタ・コンピュータの名前を偽造し、顧客に架空の銀行口座への送金を依頼するという手口が使われました。被害総額は1億米ドルを超えるとされています。

今後の展望

中華民国（台湾）とリトアニアの関係は、今後も様々な課題に直面する可能性があります。しかし、両国が共有する民主主義や人権といった価値観は、両国関係をさらに深化させる原動力となるでしょう。経済、文化、そして国際社会における連携を通じて、両国は互いに重要なパートナーとしての関係を築いていくことが期待されます。

もう一度検索