中部横断自動車道

中部横断自動車道（ちゅうぶおうだんじどうしゃどう、英語: CHUBU-ODAN EXPWY）は、静岡市清水区の新清水ジャンクション（JCT）から、長野県小諸市の佐久小諸JCTまでを結ぶ全長約132キロメートルの高速道路です。この路線は日本列島の中央部を横断するため、その名称に「横断道」が使われています。略称としては中部横断道（ちゅうぶおうだんどう）が通用します。

この道路のナンバリングはE52で、部分的に新東名高速道路清水連絡路や中央自動車道との重複区間を含みます。中部横断自動車道は国土開発幹線自動車道の一環としての位置づけされ、国土の発展や交通利便性の向上を目的としています。

道路の概要と開通状況

現在のところ、佐久小諸JCTから上越JCTを経て太平洋側と日本海側を結ぶ経路として、「中部日本横断自動車道」様々な呼称が用いられています。この高速道の中で特に注目されるのは、双葉JCTから新清水JCT間が開通しており、さらには八千穂高原ICから佐久小諸JCT間も接続しています。

特に、双葉JCTから新清水JCT間の区間は、トンネルや高架橋が多いのが特徴で、この区間約28.3キロメートルの中で四分の三はトンネルまたは高架橋で構成されています。交通流を確保するため、対面通行方式が採用されていますが、幅が狭いことから緊急車両のアクセスに懸念が示されています。例えば、2013年には大雪の影響で通行止めとなり除雪作業が遅れ、交通の混乱を招いた事例もあります。

この区間は19本のトンネルと40の橋梁から成り立ち、道路幅は10.5メートルで、車線幅は3.5メートル、そして路肩幅は1.75メートルになっています。

工事と費用問題

当初、全区間の開通は2017年度に予定されていましたが、地質の問題や工事の難航により大幅に遅延しました。その結果、2021年の8月29日にようやく双葉JCTから新清水JCT間が開通し、これにより太平洋と日本海を繋ぐ路の役割を果たすことになりました。

このようなトンネルや橋梁の多くは、建設費に大きな影響を与えており、3,154億円とされる費用は特に問題視されています。地域の負担が特に注目され、県知事が中央省庁に対して費用負担の軽減を何度も要請し、最終的には県の負担は1億円ほどにまで減少しました。このような地方自治体間の調整は、中部横断道の整備における一つの重要な課題となっています。

未開通区間と将来の展望

長坂JCTから八千穂高原IC間については、依然として未事業化の状態にあり、今後の整備に向けた具体的な計画や住民からの意見集約が求められています。新たな国土交通省の事業者予定案により、長期的には道路計画の実行へとつなげる努力が進められており、いくつかの会議が現在も続いています。

結論

中部横断自動車道は多くの課題を抱えつつも、静岡と長野を繋ぐ重要な交通路の一つとして、その整備・開通によって地域の発展が期待されています。周辺の住民や利用者にとって、安全かつスムーズな交通が実現できるよう、今後も計画と進捗が注目されることでしょう。

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