中野の渡し

中野の渡し：木曽川を繋ぐ歴史ある渡し船

中野の渡しは、愛知県一宮市西中野と岐阜県羽島市下中町石田を結ぶ、木曽川の渡し船です。その距離は約800m。愛知県道135号・岐阜県道118号羽島稲沢線の一部を構成しており、正式名称は「愛知県営西中野渡船場」といいます。

歴史

その歴史は古く、1586年（天正14年）に木曽川の大洪水によって羽栗郡中野村が分断されたことが始まりとされています。分断された村を行き来するために船が使われるようになり、現在に至ります。

運航

現在、運営費は愛知県と岐阜県が負担しており、なんと無料で乗船できます。主力船は船外機付きの「第五中野丸」。通常は一宮市西中野側で待機しており、羽島市側から利用する場合は、旗を掲げて対岸に合図を送ります。羽島市側には、往時を偲ぶ石燈明が残されており、幕末の頃に旧城屋敷の有志によって建設されたもので、正面に「常夜燈」、左側面に「不動明王」と刻まれています。

運航データ

運航時間: 8:30～11:10、12:30～14:10、15:30～16:10
最終の乗船申込時間： 運航終了時刻の15分前（岐阜県側は20分前）
定員: 14名（運航員2名を含む。救命胴衣着用、自転車も乗船可）
運休日: 月曜日・木曜日
その他: 河川の増水や強風など、運航に支障をきたす場合は臨時休航
利用料金: 無料

アクセス

愛知県一宮市西中野側

JR尾張一宮駅、または名鉄一宮駅から名鉄バスターミナル②のりば西中野行きに乗車、「西中野」停留所下車後、徒歩約1分

岐阜県羽島市下中町側

羽島市コミュニティバス南部線に乗車、「石田」停留所下車後、東へ徒歩約300m

新濃尾大橋の架橋と今後の行方

現在、近隣では新濃尾大橋（仮称）の架橋工事が進められており、2025年に供用開始となる予定です。この橋の開通により、中野の渡しの存続が危ぶまれています。2023年12月時点では、新濃尾大橋の開通後の運航については未定ですが、廃止される可能性が高いと報じられています。

長年にわたり地域住民の足として、また木曽川の風情を感じさせる貴重な存在として親しまれてきた中野の渡し。その存続がどうなるのか、今後の動向が注目されます。

周辺情報

中野の渡しの近くには、以下の橋や施設があります。

下流: 立田大橋 - 葛木渡船 - 日原渡船 - 東海大橋 - 馬飼頭首工
上流: 木曽川橋梁（JR東海道新幹線） - 木曽川橋（名神高速道路） - 濃尾大橋

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