中野又左衛門

中野又左衛門家について

中野又左衛門（なかの またざえもん）は、尾張国半田（現在の愛知県半田市）の醸造家、中野家の当主が代々受け継いできた名前です。この家は、ミツカングループの創業者一族としても知られています。

初代中野又左衛門は、1804年（文化元年）に中野家を興し、酢の醸造を始めました。これが、今日のミツカングループの起源となっています。

明治時代に入ると、4代目が苗字の表記を「中埜」に改め、7代目は名前の表記を「又左エ門」としました。7代目は、半田市の名誉市民にも選ばれています。2003年（平成15年）には、中埜和英が8代目当主を襲名し、中埜又左エ門和英となりましたが、2014年（平成26年）に再び元の名前である中埜和英に改名したため、現在中埜家で「又左衛門（又左エ門）」を名乗る者はいません。中埜和英は2022年（令和4年）8月21日に亡くなりました。

各世代の当主

初代 中野又左衛門

初代中野又左衛門（1756年 - 1828年）は、小栗喜左衛門家の長男として生まれ、半田の酒造家である中野半左衛門家の養子となりました。1804年（文化元年）に分家して中野又左衛門家を興します。

江戸で寿司が流行しているのを見た又左衛門は、酢の需要を見込み、半田で酒造業の傍ら、酒粕を原料とした「粕酢」の製造を始めました。これがミツカングループの創業とされています。1816年（文化13年）に酢の醸造業を2代目に譲り、自身は酒造に専念しました。

4代 中埜又左衛門

4代中埜又左衛門（中埜小吉、1854年 - 1895年）は、明治期の当主です。小鈴谷（現在の常滑市）の醸造家である盛田家の分家から中野又左衛門家の養子に入り、1867年（慶応3年）に家督を継承しました。現在（2012年）も使われているミツカンの商標を定めました。また、甥の盛田善平とともに丸三麦酒醸造所を設立し、「カブトビール」ブランドのビール製造業を始めるなど、異業種にも参入しました。妻のなみは、中埜半六家から養女として迎えられました。

5代 中埜又左衛門

5代中埜又左衛門（中埜政助、1864年 - 1919年）は、2代中埜又左衛門の子である傅之助（中埜半六家へ養子入りし、8代半六となる）の子です。妻のとうは、4代盛田太助の孫にあたります。準三、幸三（6代中埜又左衛門）、きと、三造は、二人の間の子供です。

6代 中埜又左衛門

6代中埜又左衛門（中埜幸造、1888年 - 1960年）は、中埜政助の次男です。最初の妻は、中埜純平の五女であるつね、後妻は、海部郡富田村の岩味等太郎の長女である多美です。政一（7代中埜又左エ門）、依子、福子、茅子は、多美との間の子供です。

7代 中埜又左エ門

7代中埜又左エ門（中埜政一、1922年 - 2002年）は、中埜幸造の長男です。慶應義塾大学経済学部を卒業しています。妻は、竹本長三郎の五女であるふじです。長男の和英は8代目を継ぎ、次男の宏奏はミツカンUSA代表、三男の昌美は中埜酒造代表を務めました。

8代 中埜又左エ門和英

8代中埜又左エ門和英（中埜和英、1950年 - 2022年）は、中埜政一の長男です。一時的に中埜又左エ門を名乗りましたが、後に元の名前である中埜和英に改名しました。

外部リンク

ミツカンのはなし - ミツカン
中埜家（中埜又左衛門家）ミツカン（中埜酢店）創業家。中埜半左衛門家分家、酢屋勘次郎。愛知県。

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