中野有光

中野 有光（なかの ありみつ）

中野有光は1865年11月23日に生まれ、1939年4月11日に亡くなった、日本の政治家であり警察官僚です。彼は明治時代の後期から昭和時代の前期にかけて重要な役割を果たし、特に統監府や朝鮮総督府の官僚として知られています。また、関東都督府官僚としても活動し、広島県福山市の市長を務めました。

幼少期と家族背景

中野は広島藩の御調郡、現在の広島県尾道市の美ノ郷村で生まれました。彼は広川忠蔵の長男として誕生し、のちに中野半兵衛の養子として名を受け継ぎました。このような背景から、彼は政治と行政に関与することが運命づけられたかのように見えます。

学歴と若い頃のキャリア

彼のキャリアは、1894年に和仏法律学校を卒業したことから始まります。さらに1902年には高等文官試験に合格し、かれこれ政治への道を歩み始めました。翌年には山梨県の職員として警部に任じられます。この職務から出発し、警視庁や大阪府警視などの重要な位置を経て、1907年には富山県の事務官に任ぜられた後、警察署長に就任しました。

朝鮮への渡航とその後の業績

1909年には渡韓し警視となり、内務書記官も兼任します。その後、統監府事務官や朝鮮総督府事務官を経て、1917年には青島守備軍の民政部事務官に転任。青島民政署の署長をも務めることになります。1919年には関東都督府で事務官となり、大連の民政署長を任されました。しかし、民政署長時代には阿片事件に関与し、有罪判決を受けることとなり、懲役1年4か月の刑を宣告されました。

晩年と市長職

1921年に休職し、1924年には正五位を返上する厳しい処分を受けることになります。その後、1927年に福山市長に就任し、地域の発展に寄与しました。彼の市長在任期間は、地域における施策や福祉の充実に貢献したと評価されています。

死去と墓所

中野有光は1939年にこの世を去ります。彼の遺体は、福山市の明王院に埋葬されており、その人生は日本の政治と社会に大きな影響を与えました。彼の業績は、現在でも広島県および福山市の歴史の一部として語り継がれています。

参考文献

• - 人事興信所 編『人事興信録 第11版 下』
• - 帝国自治協会『全国市長銘鑑 自治制実施五十周年記念』
• - 秦郁彦『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』
• - 福山市制六十周年記念誌「風雪に耐えて」編纂会 編『風雪に耐えて』

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