中野氏 (出羽国)

中野氏の概要

中野氏（なかのし）は、羽州探題に属する最上氏の庶流であり、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。この一族は、最上氏と密接に関わり合い、多くの最上氏当主を輩出したことで知られています。特に室町時代には、彼らの影響力はさらに強まります。

中野氏の始まりは、最上氏の三代目である満直の次男、中野満基にさかのぼります。彼の子孫は、山形城の北方に位置する中野城を本拠地として居住しました。この地域は、六十里越街道と須川が交差する地点にあり、戦略的にも重要な場所でした。

歴代当主の系譜

中野氏は庶流ではありますが、歴史の中で二代目の中野満氏と三代目の中野義淳が最上宗家を継承しました。満氏と義淳はそれぞれ最上氏と中野氏の家督を兼ねており、そのため両家の結びつきは非常に強固でした。1504年、義淳の長男である最上義定は、最上家を継ぐ一方、次男の中野義建は中野氏を引き継ぎました。

しかし、1514年、最上義定は伊達氏に敗れることになります。その後、伊達稙宗の妹を娶り、和睦を結びましたが、継承者がないまま1520年に没しました。その際、義建の孫である義守が最上氏に入嗣し、一族の歴史は新たな展開を迎えました。また、中野氏の家督は義守の兄、義政が引き継いでいます。

中野氏の断絶とその後

一説によれば、義守は兄義政が亡くなると、次男の中野義時に中野城を譲ったとされています。しかし、天正最上の乱によって義時は自害に追い込まれ、これにより中野氏は途絶えることとなります。その際、義時の子である備中が陸奥国へ逃れたという話も残されていますが、義時の実在については疑問視されることもあり、真実は不明瞭です。

参考文献

このような中野氏に関する情報は、『陸奥・出羽 斯波・最上一族』や『奥羽斯波氏諸列記』などの文献から詳細に知ることができ、さらには東京大学史料編纂所データベース『大日本史料』や山形県教育委員会の報告書などからも彼らの歴史を知る材料が得られます。

関連項目

中野氏の歴史を理解する上で、最上氏や伊達氏、中野城（出羽国）の歴史も深く関わっています。これらの関連項目についても調査することで、より広範な視点から中野氏の位置づけを知ることができるでしょう。

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