最上義定

最上義定（もがみ よしさだ）

最上義定（もがみ よしさだ）は、戦国時代の出羽における著名な大名であり、最上義淳の長男として知られています。彼の治世には、地域の敵勢との闘争や家族間の権力争いが繰り広げられ、多くの波乱に満ちた歴史が形成されました。

生涯のはじまり

永正元年（1504年）、義定は父の死去を受けて山形城の城主となりました。彼はその直後、長年の宿敵である寒河江氏の後継者争いを敏感に感じ取り、3度にわたり攻撃し、最終的には和議を結んで彼らを傘下に収めることに成功しました。この戦いの中で、有名な慈恩寺も焼失したと言われています。また、彼は寒河江家当主の娘と弟・中野義建を結婚させることで、さらなる同盟関係を築こうとしました。

戦闘と連合

永正9年（1512年）、庄内では武藤氏と砂越氏の争いが激化しましたが、義定は勝者の動向を警戒して寒河江まで出陣します。このように、彼は積極的に戦に関与し、同時に一族との連携を深めていました。

永正5年（1508年）、伊達氏が上山に進出すると、厳しい情勢が義定の政権にのしかかります。永正11年（1514年）には、伊達氏の稙宗が山形城に侵攻し、義定は連合軍を結成してこれに立ち向かうも敗北します。岳父である山野辺直広や寒河江一族の吉川政周が戦死するなど、大きな打撃を受け、義定は山形城から中野城へと移動せざるを得ませんでした。

伊達氏との和議

翌年、義定は伊達稙宗の妹を娶ることで和議を結びましたが、その後、伊達氏の影響力はますます強まり、最上氏の力は次第に衰退していきました。この流れは庶流の天童氏が台頭する原因となり、最上八楯という複雑な権力構造を生むことになります。

最後の時

最上義定は永正17年（1520年）2月2日にこの世を去りました。彼には伊達夫人との間に子供がいなかったため後継者問題が発生し、伊達稙宗が介入。その結果、義定の弟・義建の孫である義守が、わずか2歳で新当主として迎えられることになります。ただし、義定が山野辺夫人との間に設けた子供は、伊達家の圧力によって傀儡的な立場に置かれたという説もあります。

家族及び家臣

義定の父は最上義淳で、母親については不詳です。彼の妻は山野辺直広の娘であり、後の妻は伊達尚宗の娘です。後継者としては、養子の最上義守が恵まれています。彼の家臣としては、氏家定直や日野定重が知られ、義定の死後もその影響は続いていきました。

このように、最上義定の生涯は出羽の戦国情勢において重要な位置を占めており、彼の動向は後の歴史にも大きな影響を与えました。

もう一度検索