中間貯蔵・環境安全事業

中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）について

中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）は、環境省が所管する特殊会社です。PCB（ポリ塩化ビフェニル）廃棄物の処理を主な事業としており、環境保全に重要な役割を果たしています。

設立の背景

JESCOは、旧環境事業団が担っていたPCB廃棄物処理事業を引き継ぐ形で、2004年4月1日に設立されました。PCBは、1954年から製造が開始されましたが、1968年に発生したカネミ油症事件を契機に、1972年に生産・使用が中止され、1975年には製造と輸入が原則禁止となりました。その後、2001年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が制定され、PCB廃棄物の適正な処理が義務付けられました。この法律に基づき、JESCOがPCB廃棄物の処理を担うことになりました。

法改正と事業内容の拡大

2014年には、日本環境安全事業株式会社法の一部が改正され、会社名が「中間貯蔵・環境安全事業株式会社」に変更されました。また、国の委託による中間貯蔵事業が追加され、事業内容が拡大しました。これにより、福島県いわき市に「中間貯蔵管理センター」が設置され、中間貯蔵事業が開始されました。

主な事業内容

JESCOの主な事業は以下の通りです。

PCB廃棄物の処理: PCB廃棄物の適正な処理を行い、環境への負荷を低減します。
中間貯蔵事業: 国の委託を受け、放射性物質汚染廃棄物の中間貯蔵を行います。
その他: 環境保全に関する様々な事業を行います。

事業所

JESCOは、全国に複数の事業所を構えています。

北九州事業所: 福岡県北九州市若松区にあります。
北九州事業所（小倉オフィス）: 福岡県北九州市小倉北区にあります。
豊田事業所: 愛知県豊田市にあります。
東京事業所: 東京都江東区にあります。
大阪事業所: 大阪府大阪市此花区にあります。
大阪事業所（弁天事務所）: 大阪府大阪市港区にあります。
北海道事業所: 北海道室蘭市にあります。
中間貯蔵管理センター: 福島県いわき市にあります。

関連法規

JESCOの事業は、以下の法律に基づいています。

中間貯蔵・環境安全事業株式会社法
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律

関連事項

ポリ塩化ビフェニル（PCB）: 絶縁油などに使われていた化学物質で、人体や環境に有害です。
カネミ油症事件: PCBが混入した食用油が原因で発生した健康被害事件です。
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約: 環境中に長期間残留する有害な化学物質に関する国際条約です。

外部リンク

中間貯蔵・環境安全事業株式会社 公式ホームページ

JESCOは、PCB廃棄物処理と中間貯蔵事業を通じて、環境保全と国民の安全に貢献しています。

もう一度検索