串間原子力発電所

串間原子力発電所について

串間原子力発電所（くしまげんしりょくはつでんしょ）は、九州電力が宮崎県串間市荒崎に建設を予定していた原子力発電所です。この発電所の建設計画は、地域住民や行政の反応に大きく影響を受けたため、さまざまな経緯を伴いました。

経緯

1992年に九州電力はこの場所を第3の原子力発電所候補地として選定しました。この選定は、1990年代前半の日本において大きな波紋を呼び起こしました。特に、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故以降、日本全国で原発に対する懸念が高まっていた時期だったため、串間原発の建設計画も慎重な視点から検討されることになりました。

1995年に実施された市議選では、反対派の候補者10人がすべて当選し、地域住民の否定的な意見が強まったことが報じられました。この結果を受けて、地域の住民投票条例が改正され、その後、九州電力の立地活動が凍結されることになりました。この時点で、原子力発電所の建設計画は暗礁に乗り上げた格好となります。

その後、2010年には原発の推進派の市長であった野辺修光が、地域の合意形成を図るために住民投票を提案しました。この投票は2011年4月10日に実施される予定でしたが、東日本大震災が発生したことを受けて、住民に対しての懸念がさらに高まり、同年3月14日に住民投票の実施は白紙撤回されました。このような状況から、串間原発の建設計画は再び頓挫し、以降も明確な進展ができないまま現在に至っています。

まとめ

串間原子力発電所の建設計画は、地域住民の強い反対意見や行政の動きによって大きく影響を受け、その結果として実現しない結末を迎えました。これにより、地域のエネルギー政策や将来的な発電所の建設に関しては、慎重に議論されるべき重要な課題が再認識されることになったのです。原発建設は地域にとってノーと言えない大きな問題であり、今後もその判断は重要視されるでしょう。

本記事では、串間原子力発電所の歴史とその経緯について紹介しました。研究や政策形成に利用されるべき参考情報がさらに多く出てくることを期待しましょう。

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