丸由タクシー

有限会社丸由タクシー

岩手県二戸郡一戸町に拠点を置く有限会社丸由タクシー（まるよしタクシー）は、地域の公共交通を支える重要な役割を担う事業者です。タクシー事業とバス事業を営んでおり、特に一戸町からは交通関連業務に関する委託を受けています。

沿革

同社は1970年12月に設立されました。その後、1975年頃には一戸町民バスの運行を開始し、地域の足として貢献してまいりました。2009年4月には、一戸町における公共交通体系の見直しに伴い、新たなデマンド交通システム「いくべ号」が導入されました。この再編に合わせて、同システムと運行時間帯が重複する日中帯の町民バス運行は廃止されています。

運行事業

一戸町民バス

丸由タクシーは、一戸町から町民バスの運行を受託しています。主な運行区間は以下の通りです。

• - 旧一戸病院前
• - 一戸駅前
• - 一戸病院
• - 小鳥谷診療所（小鳥谷駅前）
• - 平糠

かつてはバス車両を用いて日中時間帯の運行も行っていましたが、現在はデマンド交通「いくべ号」が日中の移動手段として機能しているため、町民バスの日中運行はありません。また、町民バスで使用される車両は、「いくべ号」と共通運用されるように変更されました。これにより、ジャンボタクシーとしても活用できる車両が導入され、従来使用されていた車両はすべて廃車となっています。

一戸町デマンド交通「いくべ号」

「いくべ号」は、一戸町内の公共交通体系再編によって生まれたデマンド交通システムです。事前に登録した利用者が電話で予約することで、町内を移動することが可能となります。丸由タクシーは主に小鳥谷地区を担当しており、岩手県北バス一戸営業所や中山タクシーなど、合計4社で町内各地域を担当しています。「いくべ号」の運行時間帯は平日の8時から16時までと定められており、この時間帯以外においては、小鳥谷地区のように既存の路線バス（一戸町民バスを含む）が交通手段として利用されます。

特記事項

丸由タクシーは長らく、かつて道路運送法第21条に基づいて運行されていた貸切代替バスの扱いで事業を行っていました。しかし、2006年の法改正を機に路線バス事業者へと事業形態を切り替えました。この変更に伴い、同社が所有するバス車両は全て路線登録に変更されました。その結果、岩手県バス協会の会員事業者の中では、一時的に貸切バス事業を営んでおらず、路線バス事業のみを行う唯一の事業者となりました。その後、2013年3月にJR東日本が大船渡線BRTの運行開始に合わせて路線バス事業者として岩手県バス協会に加盟したことにより、現在では乗合バス事業のみを営む事業者は同社を含めて2社となっています。

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