丹羽春喜

丹羽春喜の生涯と業績

丹羽春喜（にわ はるき、1930年3月28日 - 2016年12月24日）は、日本の著名な経済学者であり、大阪学院大学経済学部名誉教授を務めました。彼の専門分野は、比較経済体制論と経済政策論であり、特にソ連経済の研究で高い評価を得ています。また、ケインズ経済学の復権を主張し、日本経済の再生にも積極的に関与しました。

学歴と職歴

兵庫県芦屋市出身の丹羽春喜は、1953年に関西学院大学経済学部を卒業後、1958年に同大学院経済学研究科博士課程を単位取得満期退学しました。1960年に関西学院大学社会学部の専任講師として教鞭をとり始め、1964年には同助教授に昇進しました。1965年には「ソ連計画経済の能率」に関する研究で関西学院大学から経済学博士号を授与されました。1971年に同社会学部の教授に就任し、その後、1975年には筑波大学大学院地域研究科教授、1977年には京都産業大学経済学部教授を歴任しました。1994年には大阪学院大学経済学部教授となり、1997年には同大学院経済研究科長を務めました。2005年に大阪学院大学を退職し、名誉教授の称号を受けました。

社会的活動

丹羽春喜は、研究活動以外にも、日本経済再生政策提言フォーラム会長・事務局長、日本学術会議会員、日本会議大阪議長などの要職を歴任しました。また、維新政党・新風の講師団にも名を連ね、政治的な活動にも関わっていました。2012年の自由民主党総裁選挙では、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人の一人として、安倍晋三の支持を表明しました。

受賞歴

丹羽春喜は、著書『ソ連軍事支出の推計』で、1990年に防衛図書出版奨励賞を受賞しました。この受賞は、彼の研究が国防問題においても重要な貢献を果たしたことを示すものです。

著作活動

丹羽春喜は、多くの著作を通じて、経済学の発展に貢献しました。主な著書には以下のようなものがあります。

『ソ連計画経済の研究』（1966年）
『共産圏の貿易構造 貿易マトリックスによる分析と予測』（1968年）
『社会主義のジレンマ 行きづまる計画経済』（1970年）
『1956年中国産業連関表推計の概要』（1970年）
『共産圏経済の計量的分析』（1972年）
『ソ連経済成長の計量モデル』（1973年）
『新冷戦時代』（1978年）
『ソ連軍拡経済の研究 国防の政治経済学』（1982年）
『ソ連・東欧の統計体系とその特異性 (増補改訂版)』（1979年）
『不況克服のための新経済学 ケインズ主義の復権』（1983年）
『ケインズ主義の復権―レーガノミックスの崩壊と日本経済』（1987年）
『ソ連軍事支出の推計』（1989年）
『ケインズは生きている―「長期不況」脱出への活路』（1993年）
『経済体制と経済政策』（1994年）
『日本経済再興の経済学―新正統派ケインズ主義宣言』（1999年）
『日本経済再興の王道』（1999年）
『日本経済繁栄の法則』（1999年）
『謀略の思想「反ケインズ」主義―誰が日本経済をダメにしたのか』（2003年）
『不況克服の経済学―「新正統派ケインズ主義」宣言』（2003年）
『新正統派ケインズ政策論の基礎 真理を簡明な論理と実証で』（2006年）

これらの著書は、ソ連経済の実態解明、ケインズ経済学の現代的意義、日本経済の再生に関する彼の見識を示しています。

主な研究テーマ

丹羽春喜の研究は、ソ連経済の分析、ケインズ経済学の再評価、日本経済の構造問題の解明という三つの柱で構成されています。ソ連経済の研究では、計画経済の非効率性、軍事支出の経済への影響、統計データの信頼性などに焦点を当てました。ケインズ経済学の研究では、市場メカニズムの限界を指摘し、政府による積極的な経済政策の必要性を主張しました。日本経済の研究では、長期不況の原因を分析し、その打開策を提言しました。

丹羽春喜は、理論と実証の両面から経済学に貢献しただけでなく、社会問題にも積極的に関与し、その発言は常に注目を集めました。彼の業績は、経済学の研究者だけでなく、政策立案者、一般の読者にも大きな影響を与えました。

外部リンク

新正統派ケインズ主義宣言
丹羽春喜の経済論

これらのリンクから、彼の思想や活動についてさらに深く知ることができます。

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