丹羽氏勝

丹羽氏勝について

丹羽氏勝（にわ うじかつ）は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した重要な武将であり、織田信長の忠実な家臣でした。彼の地位は尾張国岩崎城主であり、また三河国の伊保城も治めていました。

出自の背景

丹羽氏勝の家系は、岩崎丹羽家の祖先である一色丹羽氏に遡ります。彼の先祖である一色氏明は尾張丹羽庄に根を下ろし、地名を取って丹羽氏を名乗るようになりました。ただし、同じく織田家臣である丹羽長秀系の児玉丹羽氏とは血縁関係にはありません。

生涯の概要

氏勝は大永3年（1523年）、尾張国の岩崎城にて丹羽氏識の子として生まれました。若い頃から彼は尾張守山城の主であった織田信次に仕官し、信次の忠臣としての地位を築いていきました。しかし、天文24年（1555年）には、信次の家臣である洲賀才蔵による暗殺事件が発生し、信次は逃亡を余儀なくされました。この混乱の中、氏勝も守山城に残って戦っており、信次の家老・角田新五の謀反にも関与していました。彼はこの後、織田信長の直臣として仕官し、その忠義を全うすることとなりました。

永禄12年（1569年）には伊勢の大河内攻めに参加し、元亀元年（1570年）6月には近江国で行われた姉川の戦いに参戦します。その後も野田・福島攻城戦や比叡山の攻防に加わり、武将としての腕を磨いていきました。天正3年（1575年）には越前攻めに、5年には紀伊国の雑賀攻めに参加し、その戦歴は多岐にわたります。

信長との関係

天正8年（1580年）の4月24日、氏勝は信長と共に鷹狩りに出かけましたが、その際に彼の配下が誤って大石を信長の通り道に落としてしまいました。この事件に信長は激怒し、氏勝の家来の一人がその場で処刑されてしまいます。これは氏勝にとって非常に厳しい試練となりました。

同年の8月には、彼は信長から突然追放されることになりました。その理由は、過去に信長への逆心があったためとされています。追放後は各地を旅しながらの生活が続きましたが、信長の死後、彼は次男氏重の居城である傍示本城に戻り、そこで余生を送りました。

晩年と系譜

丹羽氏勝は慶長2年（1597年）にその生涯を閉じ、享年75歳でした。彼の家系は続いており、氏勝には長男の丹羽氏次や次男の丹羽氏重などの子がいました。氏勝の正室や継室については詳細が不明ですが、長女は加藤忠景の妻となり、さらなる系譜を伝えていきました。

氏勝に関する記録は『信長公記』や『丹羽三草家譜』などに残されており、彼の忠義と戦の足跡は日本の歴史に深く刻まれています。

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