主治医

主治医について

主治医（しゅじい）とは、一人の患者に対し、その疾患に関する診療方針全般に責任を持つ医師のことを指します。主に外来や入院診療における「担当医」と同義とされますが、患者の身体や健康状態を最もよく理解している医師であることが求められます。

特に、複数の診療科を受診している場合や診療チームが関与している場合、患者には複数の医師が関与することになるため、「主治医」の役割は必ずしも明確ではありません。また、テレビ番組『主治医が見つかる診療所』のように、自分の健康を預けるべき医師のことを指して「主治医」と呼ぶこともあります。

外来と入院における主治医

外来診療を受けていた患者が同じ医療機関に入院する際に、外来診療の担当医とは異なる医師が担当医になることがあります。しかし、患者は外来担当医が引き続き自分の「主治医」であることを希望することが多いです。だが入院後に担当医を変更することは、病院の運営効率を考慮すると難しいことが一般的です。

主治医2人制度

日本には「主治医2人制度」というユニークな制度も存在します。外来診療においては、曜日や時間によって異なる医師が患者に接することがあります。この際、診療録には一人の医師が担当医として明記されています。この制度により、かかりつけ医と主治医の関係が混ざることがありますが、かかりつけ医は患者の医療を管理し、適切な病院へと紹介も行います。

かかりつけ医

「かかりつけ医」の概念は、特に地域医療において重要です。日本医師会によると、かかりつけ医は「なんでも相談でき、最新の医療情報を熟知し、必要に応じて専門医を紹介できる医師」と定義されています。地域住民から信頼を得るために、かかりつけ医機能の維持と向上を図るためのプログラムも実施されています。

地域包括診療

2014年の診療報酬改定により、地域包括診療料や地域包括診療加算が新しく設けられました。これは、複数の慢性疾患を有する患者に、全人的な医療を提供するためのものです。診療所や小規模な病院がこの制度の対象となります。主治医には、患者が受けている他の医療機関との連携や健康診断の受診勧奨、介護保険の手続きなども求められます。

認知症地域包括診療

2016年には、認知症患者に特化した地域包括診療料が新設され、複数疾患を持つ患者に対して全人的な医療を実施することが評価されるようになりました。この制度では、主治医は認知症に関する医療の中心的役割を果たします。

高齢者担当医制度（廃止）

かつてあった「高齢者担当医」制度は、後期高齢者医療制度において、指定された慢性疾患を持つ患者に診療報酬を支給していましたが、2010年に廃止されました。この制度は特定の疾患を持つ高齢者の健康管理を目的としていました。

介護保険との関連

日本の介護保険制度では、介護サービスを利用するために主治医の意見書が必要とされ、ここでも「主治医」を「主治の医師」として定義しています。

このように、主治医は患者の健康管理において重要な役割を持っており、医療提要体制の中心的存在として機能しています。

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