主要動

主要動とは

地震における主要動とは、地震波のうち、S波と表面波（レイリー波・ラブ波）によって引き起こされる、比較的大きな揺れのことです。地震が発生すると、まずP波による初期微動が観測され、その後にS波や表面波による主要動が到達します。

地震波の種類と伝播速度

地震波には、P波、S波、表面波の3種類があります。これらの波は伝わる速度が異なり、P波が最も速く、S波、表面波の順に遅くなります。

P波：5～7km/秒
S波：3～4km/秒
表面波（レイリー波、ラブ波）：S波より遅い

このため、観測地点では、まずP波による揺れを感じ、その後S波、表面波による揺れが順に到達します。表面波のうち、レイリー波は比較的観測しやすいですが、ラブ波は地盤の状態に影響されやすく、発生しないこともあります。

主要動の特徴

主要動は、S波と表面波によって引き起こされる揺れです。S波はねじれ波であり、P波よりも大きな揺れをもたらします。地震波形を観測すると、主要動が波形の大半を占めることがわかります。S波や表面波は周期が長いため、主要動はユサユサとした大きな揺れとして感じられます。この揺れは、建物などを大きく揺らす周期と一致しやすく、特に強い揺れは建物に大きな被害を与える可能性があります。

主要動の多様性

主要動の周期、加速度、振幅などは、地震によって様々です。また、同じ地震波形の中でも様々な周期や加速度の成分が含まれており、最も卓越した成分がその地震の性質や被害の傾向を決定づけます。例えば、マグニチュードが大きい地震でも、主要動の周期が短ければ家屋への被害が大きくなる傾向があります。

震源からの距離と主要動

S波は減衰しやすいため、震源から離れるほど、S波の影響が小さくなり、逆に表面波の影響が大きくなります。そのため、震源から遠い場所では、ユサユサとした周期の長い揺れが感じられるようになります。また、震源が浅い直下型地震では、S波よりも強い表面波が発生する傾向があります。

まとめ

主要動は、地震時の大きな揺れであり、その特徴は地震の規模や深さ、観測地点によって異なります。建物の被害にもつながるため、地震対策において重要な要素です。主要動を正しく理解することは、地震への備えとして非常に重要です。

関連用語

初期微動：P波によって引き起こされる、主要動に先立つ小さな揺れのことです。
地震波: 地震によって発生する波のことで、P波、S波、表面波などがあります。
S波: 横波とも呼ばれ、P波よりも後に到達する地震波で、大きな揺れを引き起こします。
P波: 縦波とも呼ばれ、S波よりも先に到達する地震波で、初期微動を引き起こします。
表面波: 地表面付近を伝わる地震波で、レイリー波とラブ波があります。

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