久々利村

久々利村について

久々利村（くくりむら）は、かつて岐阜県可児郡に存在した村です。現在の可児市南東部、久々利川流域に位置しています。村の名前は、かつて存在した荘園である久々利荘に由来し、さらに「くくり」という言葉は、景行天皇が造営した仮宮「泳の宮」（くぐりのみや）に由来するという説もあります。

歴史

江戸時代

江戸時代初期、この地域は美濃国可児郡に属し、尾張藩領でした。この地には、木曾衆の千村平右衛門家の千村陣屋と、久々利九人衆の屋敷が置かれていました。

明治時代

1875年（明治8年）、旧来の久々利村、丸山村、佐渡村、原見村、平柴村、我田村、酒井村が合併し、新たな久々利村が誕生しました。その後、1889年（明治22年）7月1日には柿下村と合併し、改めて久々利村が発足しました。

昭和時代

1955年（昭和30年）2月1日、久々利村は今渡町、広見町、土田村、平牧村、春里村、帷子村と合併し、可児町が発足。これにより、久々利村は廃止されました。

教育

久々利村には、以下の学校がありました。

久々利村立久々利小学校（現在の可児市立東明小学校）
可児郡中部中学校（現在の可児市立中部中学校）

久々利小学校は1968年に学区再編が行われ、現在の可児市立東明小学校となっています。

文化と観光

久々利村には、以下のような観光スポットや文化的な場所があります。

久々利城址：かつてこの地を治めていた城の跡。
泳宮古蹟（泳の宮伝承地）：景行天皇が滞在したとされる「泳の宮」の伝承地。
八坂入彦命墓：崇神天皇の皇子である八坂入彦命の墓。
大萱古窯跡：美濃焼の古窯跡。この地が美濃焼発祥の地であるという説も存在します。

特に、大萱古窯跡は、1930年に陶芸家荒川豊蔵が志野焼の陶片を発掘した場所として知られています。この発見により、安土桃山時代の志野焼が瀬戸ではなく美濃で製作されたことが実証され、美濃焼の歴史において非常に重要な場所となっています。

美濃焼との関わり

久々利村は、美濃焼の歴史と深く関わっています。大萱古窯跡の発掘により、この地が美濃焼の重要な生産地であったことが明らかになりました。この地域の歴史を語る上で、美濃焼は欠かせない要素となっています。

まとめ

久々利村は、美濃焼のルーツとも言える場所であり、歴史的にも重要な場所です。その歴史と文化は、現在の可児市にも深く影響を与えています。

参考文献

可児市史
岐阜県百科事典
* その他郷土資料

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